「男はつらいよ」ロケ地で見つけた寅さんの飲んだ“幻の酒”

「男はつらいよ」ロケ地で見つけた寅さんの飲んだ“幻の酒”
「恋愛塾」の撮影。駅前で渥美さん、樋口が共演。渥美さんの持つ日本酒のラベルで「千歳盛」であることがわかる(小田切さん提供)
       

 故渥美清さん(1996年死去)の代表作「男はつらいよ」シリーズの第1作公開から50年の今年、50作目の新作「男はつらいよ お帰り寅さん」(山田洋次監督)が27日に封切りされる。フーテンの寅は全国津々浦々を巡り、ロケ地も全国に広がった。当時の寅さんブームを感じるべく、秋田県で関係者を取材すると、寅さんの飲んだ“幻の酒”を見つけた――。

 テキヤ稼業の寅さんは生まれた東京・柴又を起点に全国を行脚した。地方での撮影ともなれば、国民的人気者の渥美さんの周りには取材陣もやじ馬も集まる。ロケ地に決まれば、おらが町のPRができる。当時から、各地で誘致合戦が繰り広げられていた。

 今回訪れたのは第35作の「寅次郎恋愛塾」(85年公開)のロケ地、秋田県鹿角(かづの)市。「マドンナ」の樋口可南子(61)と、司法試験合格を目指す秋田出身の青年(平田満=66)の恋路を応援し、長崎県五島列島の新上五島町、柴又、そしてフィナーレが鹿角となった。

 市は鹿角を全国に売り込むため、松竹に猛烈アピールを実施。当初は五島列島と信州を舞台にすることが決まっていたが、鹿角の魅力を詰め込んだビデオテープを送ったり、製作補助費約1400万円、3万枚の前売り券(1200円)買い取りなどの条件で「五島と鹿角」に脚本が変わったという。それだけ寅さん映画の誘致が全国自治体から「チャンス」と認識されていたことがわかる。

 渥美さん人気を証明するように陸中花輪駅前での撮影には2000人以上の市民が集まった。当時、市役所職員として誘致やロケに関わった阿部一弘現副市長(65)が振り返る。


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