【格付け委員会・古馬中距離部門】叩き上げ女王リスグラシュー「65」場数踏んだ“すごみ”文句なし

【格付け委員会・古馬中距離部門】叩き上げ女王リスグラシュー「65」場数踏んだ“すごみ”文句なし
格付け表

【松島良都記者の2019年格付け委員会=古馬中距離部門】ウオッカ(2008、09年)、ブエナビスタ(10年)、ジェンティルドンナ(12、14年)、アーモンドアイ(18年)、そして、19年はリスグラシュー。05~19年の15年間でJRA賞年度代表馬は牝馬が7回獲得。もはや牡牝の差はなく、むしろ牝馬上位の時代を迎えていると言っていいかもしれない。

 リスグラシューは豪コックスプレートを含む年間GI・3勝。春秋グランプリは3、5馬身差の圧勝だった。天皇賞ジャパンCには不出走でも戦績に不足はない。古馬中長距離部門のトップになる65キロ(2300メートル超)を獲得して前記の名牝に肩を並べた。

 もっとも、これまでの歴史的名牝と比べると明らかに“異質”。2歳時から頭角を現していたとはいえ、GI初勝利は4歳秋のエリザベス女王杯。冒頭の4頭が2、3歳時に名牝の評価を得ていたことを思えば、かなりの遅咲き。牝馬としては珍しい叩き上げの王者だ。それだけに“天才肌”のチャンピオンであるアーモンドアイとの明暗が分かれた有馬記念は、様々なことを考えさせられた。ノーステッキで5馬身差の圧勝は驚異的。多くのキャリアを積んで培ってきた強さには、ほかにない“すごみ”があった。

 これは、凱旋門賞を勝ったヴァルトガイストにも通じるものがあるように思う。というのも、こちらも5歳、21戦目の大金星(それまでGI勝ちは3つ)。欧州の半年の競馬シーズンでも3歳=5戦、4歳=8戦、5歳=4戦(凱旋門賞前まで)とコンスタントに実戦を使われ、力をつけてきた。そうしたキャリアに裏打ちされた強さというのは、どういう状況でも持てる力をほぼフルに発揮できるのだろう。だからこそ、重馬場でわずかに隙の生じたエネイブルを捕らえることができた。


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