米の映画興行収入が半減 新作製作できず来年さらに悪化も

 新型コロナウイルスの影響による映画館の閉鎖で、ハリウッドの年間興行収入は昨年に比べ半減する見通しとなり、過去四半世紀で最悪の55億ドル(約6000億円)にとどまると予想されている。ところが、実際はそれさえも危うい状況だ。

 米ニュースサイト「オブザーバー」によると、7月には人気作品の公開が目白押しで、55億ドルというのはその売り上げを見込んだもの。だが、来月になっても劇場の営業が再開されなければ、さらに悲惨な結果になることは確実だ。

 米調査会社モフェットネイサンソンによると、2019年の興行収入は全米で114億ドル(約1兆2500億円)だったが、今年は52%減少すると想定。これは来月公開予定のクリストファー・ノーラン監督による話題作「TENET テネット」やディズニーの実写版「ムーラン」、シリーズ最新作「ワンダーウーマン1984」など、大ヒットが期待される映画の公開を前提に算出した数字だ。

 ところが、オブザーバーは「AMC、リーガル、シネマークなど米大手映画館チェーンは休業したままで、ニューヨークやロサンゼルス、サンフランシスコ、シカゴといった大都市の市当局は、7月の劇場再開について正式には何も言及していない」と報じている。ただし、サンフランシスコは8月の営業再開を目指している。

 また、ハリウッド関係者は「公開延期の末、ようやく公開されたとしても、多くの新作は製作費さえペイできないだろう」と指摘。同サイトによると、ワーナー・ブラザースのSF大作「テネット」の場合、製作費の220億円を上回る国内売り上げは困難だという。

 一方、「ムーラン」について前出の調査会社のアナリスト、マイケル・ネイサンソン氏は、ディズニーが劇場公開をやめ、昨年立ち上げた動画配信サービス「ディズニープラス」やオンデマンドでのデジタル配信のみにすると予想。ディズニー作品の多くはこれまで1000億円以上売り上げてきたが、同氏は「もし、その半分でも興行収入を稼げれば“ホームラン”だ」と述べた。

 ハリウッドにとってさらに深刻なのが、パンデミックにより製作が止まり、新作のストックが底をついていること。今年はもちろん、厳しい状況は来年も続きそうだ。

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2020年6月6日の映画記事

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