【平岡洋二 連載コラム】暴力、部費使い込みで球児を裏切った指導者たち

【平岡洋二「アスリートの解体書」(30)】長くやってるといいことばかりではない。勝てなかった大学野球部の話の次は高校野球部の不祥事の話。私が指導した高校野球部の部長・副部長・監督の部費の不適切な管理と支出について、日本学生野球協会によって処分された事例。他山の石としてもらうために実際にあった事例を匿名ではあるが触れておきたい。

「A、B、Cにやられましたわ」。監督退任の日に私に対して語った監督の言葉。A、B、Cという保護者によって無実の罪を着せられたと。ここで言う部費とは、学校から支給されるものではなくて、個々の部員が部に対して納める活動費のこと。月々1万円。該当の1年間だけでも総計1000万円近くに上った。その大半が使途不明で別途、都度、徴収していた遠征費の会計報告もなかったというのだから異常だ。

 業務上横領罪(刑法253条)とみなされれば、法定刑は10年以下の重罪だ。監督はそれまでも体罰で謹慎処分を受けたり、公式戦の敗戦後に罰走を課したりしたことで一部マスコミに体罰と報道され、それをきっかけとして、被害者たちが声を上げ、過去の犯罪的行為が次々と露呈していた。週5回の焼き肉会にキャバクラ、私的に利用していた車の代金、ガソリン代、日々の弁当代等々やりたい放題で大半は領収書さえなく監督室には常時現金3万円を置いておき自由に使えるようにしていたというのだから言語道断だ。

 裏帳簿ならぬ「裏通帳」さえあったとの会計監査報告。両親が一生懸命働き高い授業料を納め、苦労して部費や遠征費などを払っていたのは分かっていたはず。「週5の焼き肉にキャバクラだと? ふざけるな、大バカどもが!」。取材した記者や関係者に聞くと私に言ったのと同様に「はめられた」と、罪を認めていなかったらしい。以前、同時に処分を受けた部長の使い込みが発覚した際、憤慨していたではないか。また、チームを強くするために一生懸命だった姿を見ていたから、何が彼を変えてしまったのだろうかと思ったものだった。


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