
J1川崎は25日のG大阪戦(等々力)に5―0で大勝し、2年ぶり3度目のリーグ優勝を決めた。4試合を残してのJ1制覇は2010年に名古屋が記録した3試合を上回る史上最速記録。勝ち点も75まで伸ばし、最多記録を更新した。その最強チームで大卒ルーキーながら特別な輝きを放ったのがMF三笘薫(23)だ。ここまで新人の最多得点記録(13得点)に迫る12点をマーク。母校・筑波大サッカー部の小井土正亮監督(42)が本紙直撃に応じ、大活躍の原点を明かした。
川崎の下部組織でプレーしていた三笘は高校卒業時にトップチーム昇格を打診されたが、筑波大へ進学。同大サッカー部の小井土監督は「率直にうまいなと。ドリブルのリズムとかは独特の感覚があって、面白い選手だなと思った」と今でも当時の印象を鮮明に覚えている。
ただ、類いまれな才能を秘めていたものの、ゲーム全体の流れをつかみ切れないなどの課題もあり、試合に出られない時期もあった。それでも大学サッカーで成長する信念は揺るがなかった。
小井土監督 プロにもなれたけど、大学に来たので。大学で認められなければ、その先がないという覚悟はあった。それに高卒でプロ入りした同級生が何人も活躍していたので、4年後には絶対超えてやるんだっていう気持ちはあったと思う。
そんな心意気は普段の練習からも伝わってきたという。
小井土監督 毎日のチーム練習に加えて、同級生のDF山川哲史(23=神戸)と居残りで1対1をほぼ毎日、4年間やっていた。ちょうど切磋琢磨できる仲間が同学年にいたっていうのもあるけど、自分は絶対に負けないとか、武器を伸ばすとか。そういうのは継続してずっとやっていた。