
【渡辺薫&柏木集保「私たちはこう見た」・ジャパンC】
渡辺 いや~まやかしの3強決戦なんて紙面で書いてしまって本当に失礼しました。それほど素晴らしいレースだった。
柏木 まさに夢決戦。3強対決だとどれかに破綻が生じるものですが、3頭で1~3着独占は立派。歴史的なレースとなりました。
渡辺 とりわけアーモンドアイは完璧だった。堂々と正攻法の運びから追い出しのタイミングを図って無敗の3冠馬2頭に0秒2差。この着差は現状の明らかなるレベル差を示している。彼女には本当にお疲れさまと声をかけたい。
柏木 間隔が詰まった苦手な2戦目でしたが、落ち着き払って素晴らしい状態。反動も衰えも全く見せずに余裕十分の抜け出しで芝GⅠ9勝目。お見事というか、誰にも文句を言わせない強さでした。
渡辺 負けたとはいえ、コントレイルもデアリングタクトも3冠馬の名に恥じない走り。2頭で準GⅠ馬カレンブーケドールをゴール前でかわした点に確かな地力が感じられたし、コントレイルも厳しいローテーションの中での2着確保。紛れもないトップホースであることを示した。
柏木 直線に入って2頭が交錯するようなシーンもありましたが、そこから両馬ともに脚を伸ばしました。とくに内に押し込められた格好のデアリングはもう少し脚があったような印象もしたし、すごい根性を見せてました。加えていえば、このレースをキャリア5戦で連対したのはファビラスラフイン(96年)だけ。すごく褒めてあげたい内容です。