
スペイン1部ビリャレアルの日本代表MF久保建英(19)はレバンテ戦(2日)で今季初のベンチ外となり、退団が決定的となった。すでに報じられているように同1部ヘタフェ入りが濃厚となっているが、なぜシーズン中に再移籍に至ってしまったのか。
スペイン紙「マルカ」によると、その最大の要因は若手イレブンの台頭にあるという。MFジェレミー・ピノ(18)をはじめMFアレックス・バエナ(19)、FWフェル・ニーニョ(20)ら生え抜きの若手勢は出場時間が少ない中でチャンスをものにし、久保よりも多くのゴールやアシストを積み重ねている。
実際に久保はチームのエースでスペイン代表FWジェラール・モレノ(28)ら主力が負傷離脱した時、何度もチャンスをもらいながら13試合(先発2)出場もゴールを奪えず、欧州リーグ(EL)のわずか1得点。逆にピノは今季公式戦3ゴールなど、確実に結果を出したことで「状況が変わった」(マルカ紙)というわけだ。
実際にウナイ・エメリ監督(49)も昨年12月に「誰もがチャンスを手にした。だが、私たちは貢献しない一選手に10試合連続で起用するためにここにいるわけではない。1試合を与えたら、もっと与えられるように勝ち取らなければならない。それはユース出身だろうと、全員が同じだ」と発言している。
こうしたチーム内の事情に加えてクラブの経済的な事情もある。「マルカ」紙によると、ビリャレアルの今季予算は1億1170万ユーロ(約140億円)で新型コロナウイルスの影響で昨季より2700万ユーロ(約34億円)も少ない。そこで久保にかかる経費を減らすと同時に、ピノら若手を徹底強化することで他クラブに高額で売却できるという思惑もあるという。