
ノアと全日本プロレスを主戦場とする若武者2人が26日、ベルトへの熱い思いを激白した。31日のノア横浜文化体育館大会で鈴木みのる(47)との一騎打ちに臨む潮崎豪(34)は、引退危機を救ってくれたノアに恩返しするためGHCヘビー級王座挑戦を誓った。一方、2月12日の全日本プロレス後楽園ホール大会でゼウス(34)との3冠ヘビー級王座決定戦に臨む宮原健斗(26)は、新エースの座を狙っている。
この日、潮崎はオフ返上で早朝から神奈川県内のジムで、とことん体をいじめ抜いた。大粒の汗を拭いつつ「今の俺はとにかくリング上で見せないといけない。勝たなきゃいけない戦いだし、勝てばその先が確実に見えると思う」と横浜決戦へ腕をぶした。
若手時代の2006年7月16日、日本武道館大会でみのると初対戦した時は、何もできずに完敗した。
約10年ぶりのリベンジはもちろん、気持ちが高まる要因がある。ノアへの思いだ。
潮崎は全日本を退団して昨年10月からフリーになった。11月20日の後楽園大会でノアマットに再登場するまでの“空白期間”について「夢というか、かなうことがなかったカードを実現させたいっていう希望もあった。でもどこも上がるリングがなかったら、レスラーとして死んでいるのと一緒。身を引かないといけないっていう不安があった」と明かす。実はこの時、デビュー12年目にして初めて引退の危機にさらされていたという。
不安を打ち消すように過去の試合映像を何度も見た。中でも04年7月24日ディファ有明大会のデビュー戦(潮崎、本田多聞組対秋山準、橋誠組)が心に響いた。ひたむきにプロレスを楽しんでいる自分がいた。忘れていた感情がよみがえり、再び古巣のマットに立ちたい気持ちが芽生えた。