軍に有利な新憲法草案承認でタイの風俗産業は壊滅危機

軍に有利な新憲法草案承認でタイの風俗産業は壊滅危機
拡大する(全1枚)
タイ名物のゴーゴーバーもなくなる!?

 【アツいアジアから旬ネタ直送「亜細亜スポーツ」】タイで8月7日、軍に有利な新憲法草案の是非を問う国民投票が行われた。一昨年のクーデター以降、政権を握る軍部に反対の商店主は「憲法案に意見したり反対するだけで逮捕できる法律を、軍はあらかじめ作ってる。怖くて投票できない」と嘆く。それもあり、いつもは選挙投票率が高いのに今回は60%と低迷。結果、賛成63%、反対37%で憲法案は可決された。
 
 今後も政治に対し、大きな影響力を持つ軍だが、恐れているのがタクシン元首相の復権。軍部とタクシン派の争いは10年以上続いている。タクシン支持の男性は「軍は国民投票をチェックするための事務所を強制的に閉鎖。これを国連に人権弾圧ではと指摘されていることも、国際社会ではほとんど報じられてない」と怒る。軍は徹底的な規制により、反対票を刈り取っていったのだ。

 普段は反タクシンの政党諸派も今回は憲法案に反対し、政治VS軍の対立はさらに深まりそう。一方の賛成派は「何かと緩いタイ人に、軍による規律は必要。軍政は福祉の充実を公約に掲げている」(女性会社員)、「タクシン絡みの政争にはウンザリ。軍に賛成というより、何か大きな変化があれば」(女性経営者)などの意見だ。

 首都バンコク駐在の機械メーカー社員は消極的に軍政を支持する理由をこう語る。「タイは日系企業のアジアの中心地だから、どんな政治体制でも生産を続ける必要がある。ただ近年は、クーデターや暴動などがしょっちゅう起き、政権がひっくり返る。そのたびに駐在員の避難や工場の一時停止など、余計なコストがかかってきた。そんな“政権オセロ”がなくなり、落ち着いて操業できるなら、軍政下でもやむなし」

 タイの名物といえば風俗だが、現地では早くも規制を恐れる声が。バンコク中心部のスクンビット通りにはバーの屋台が立ち並び、夜ともなると風俗嬢がわんさか出てくるが、今後はここも撤去されるという噂が飛び交っている。

「軍はこの3年ずっと、風俗や屋台を弾圧してきた。投票結果を受け、本格的な浄化作戦が始まるといわれてるのよ」と顔を曇らせるのは、タクシン支持というバーのママ。こうした手入れは、タイの性風俗全体を取り締まる大規模なものになるという予測まである。

 また、フェイスブックで軍政に反対する書き込みをしたり、それに対し「いいね!」した人が逮捕されるなど、表現の自由に対する侵害も進む。現地在住邦人や、タイ出張が多いビジネスマンの間では「タイにいる間は、日本語でもSNSでの政治的発言は控えたほうがいい」という話に。

 タイの国民性を象徴するのに「マイペンライ」(問題ない、大丈夫という意味)という言葉があるが「政治のことは諦めて、ポケモンGOで遊ぶ」と言う地元民も多い。

☆室橋裕和(むろはし・ひろかず)=1974年生まれ。週刊文春記者を経てタイ・バンコクに10年居住。現地日本語情報誌でデスクを務め周辺国も飛び回る。2年前に東京へ拠点を移したアジア専門ライター。

当時の記事を読む

東スポWebの記事をもっと見る

トピックス

今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース

もっと読む

国内ニュースランキング

国内ランキングをもっと見る

コメントランキング

コメントランキングをもっと見る

このカテゴリーについて

国内に起きた最新事件、社会問題などのニュースをお届け中。

通知(Web Push)について

Web Pushは、エキサイトニュースを開いていない状態でも、事件事故などの速報ニュースや読まれている芸能トピックなど、関心の高い話題をお届けする機能です。 登録方法や通知を解除する方法はこちら。

お買いものリンク