
日本シリーズ第5戦(27日、札幌ドーム)は、日本ハムが5―1で広島にサヨナラ勝ち。西川遥輝外野手(24)に史上2人目となるサヨナラ満塁弾が飛び出し、10年ぶりの日本一に王手をかけた。大谷翔平投手(22)は決戦を前に何を思うのか。本紙評論家・前田幸長氏の直撃に、人生初の日本一に秘めた決意を語った。
西川の打球が右翼スタンドに突き刺さった瞬間、大谷はネクストバッターズサークルで喜びを爆発させた。ウオーターシャワーが飛び交う本塁で西川を出迎えると、ナインとハイタッチ。劇的勝利をかみしめた。
2連敗のあと地元札幌で3連勝。それも2つのサヨナラを含むすべてが逆転勝ちという底力で、再び広島に乗り込む。試合後、大谷は「王手なので、みんなでこの勢いを大事にして初回からぶつかっていけたらなと思います」と語ると、次回の登板について、こう口を開いた。
「広島でまたやりますし、しっかり『攻め切る』ことが大事かなと思うので。別に投げる投げないとかそういう問題ではなくて、全員で一生懸命いければいいんじゃないかなと思います」
第1戦では敵地のマウンドの感触が気になっていたが「イメージはしてますし、何回やってもダメっていうのは投手としてどうかなと思っている。それなりに対応していきたいなと思ってます」と静かにリベンジを誓った。
第1戦は6回5安打3失点で敗戦投手。果たして日本一のかかった大一番で、どんな投球を披露してくれるのか。実は第5戦の試合前、大谷は前田氏の直撃にこう語っていた。
「(自分は)6回3失点(の内容)を求められている投手ではないので、いい形で結果を出さなければいけないと思っています」
圧倒的な投球で広島をねじ伏せる、強い決意を見せていた。
初戦の自分とは違う。その背景には、やはりあの男の存在があった。第3戦、魂の投球で立ち向かってきた黒田だ。
「いろんな球種を見れたので勉強になりましたね。動くボールや制球など、かなり勉強になりました」と振り返ると、前田氏にこんなことも打ち明けた。
「いずれ必要になる時がくれば、覚えておきたい球もありました。必要になった時に投げたいですよね」
ツーシーム、カットボールという、手元で動かしてバットの芯を外す球種を覚える必要性が芽生えたことを明かしたが、すぐさまこう続けた。
「(でも)最後まで今のスタイルで抑えることが一番いいと思います。フォーシームで最後までいくのが一番いいと思います」
自身の原点でもあるフォーシーム=直球の精度を究極にまで高めていくことが重要であることも同時に再確認していた。
第1戦で味わった苦い経験と、男気右腕との対決を通して得た成長――。日本一をかけた敵地マツダスタジアムのマウンドに、背番号11が上がる。
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