
女子プロレス「スターダム」のワールド・オブ・スターダム選手権(22日、東京・後楽園ホール)は、王者の紫雷イオ(26)が岩谷麻優(23)の挑戦を退け、9度目の防衛に成功した。
たもとを分かった元相棒と今年2度目のタイトル戦。女王は冷酷だった。鉄柱に右足を打ちつけて破壊すると、場外マットをはがし、ボディースラムで叩きつける。すっかりキャラチェンジした“天空の逸女”は、不敵な笑みすら浮かべながらえげつない攻撃を続けた。
初戴冠に燃える岩谷から場外で飛龍原爆を食らう場面もあったが、自慢の金髪をなびかせてリングを飛翔し、最後は月面水爆2連発で勝利。改めて東京スポーツ新聞社制定「2016年度プロレス大賞」で女子プロレス大賞を2年連続受賞した実力を誇示した。イオは「これが赤いベルト! 女子プロレス! スターダムだ!」と絶叫し、会場は大「イオコール」に包まれた。
昨年12月23日の後楽園大会で2度目の戴冠を果たし、1年間ベルトを守り続けた。これで自身が保持するV10の最多防衛記録にあと「1」と迫り、いよいよ新記録樹立の期待もかかる。「スターダムのリングは選手が増えて、話題も増えている。成長し続けない者は淘汰される。その中で紫雷イオは進化し続け、赤いベルトを保持したままエースの座を守る」。デビュー10周年のメモリアルイヤーも女子プロレス界をけん引してみせる。