地下鉄サリン事件から22年 麻原死刑執行にある難問とは

 13人が死亡、6000人以上が重軽症を負った1995年の地下鉄サリン事件から、20日で22年となった。多くの死傷者を出した東京メトロ霞ケ関駅(東京都千代田区)で夫一正さん(50=当時)を亡くした高橋シズヱさん(70)は、同駅で献花した後、「ここに来るとあの日を思い出す」と静かに語った。

 事件発生時間に近い午前8時には、霞ケ関駅員が黙とう。大友豊彦駅務管区長(56)は「新しく入った社員に事件を必ず伝えていく」と話した。

 事件では、松本智津夫死刑囚(62)=教祖名・麻原彰晃=の指示を受けた教団幹部が都心を走る地下鉄5車両に猛毒のサリンをまいた。関与した10人の死刑、4人の無期懲役が確定している。

 残っているのは、サリン散布役を送迎し、特別手配後約17年間逃亡していた元信者高橋克也被告(58)=一、二審で無期懲役判決=の上告審だけとなった。

 法曹関係者は「最高裁での審理は、憲法や判例違反など法律上の問題に限られ、改めて証人尋問などを実施し、事実関係を調べることは通常ありません。麻原の死刑を執行しても影響はない状態になっています」と言う。

 しかし、心神喪失状態では刑の執行を停止しなくてはならない。死刑という刑罰を理解する能力にない状態だからだ。また、麻原を信仰している信者のテロが怖いため、法相が死刑執行のハンコを押すのをイヤがるだろう。

 さらに「“教祖の殉死”によって麻原が神格化され、大規模なテロ実行や信者のカルト化の危険性がある。そのため、宗教学的には自然死が最も無難だとされています」と同関係者。

 実際に、公安関係者は「麻原がいる東京拘置所の周辺には麻原信者と思われる人々が現れ、拘置所を見上げては何かを唱えている姿が毎日のように目撃されている」と指摘する。

 遺族や日本人にとって、松本死刑囚の死刑執行があってこそ、気持ちに一区切りがつくだろうが、執行にはさまざまな困難があるようだ。

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