六大学を支えた関口昌男の苛烈な日々

 いずれ次の正捕手と見られたが、そうはならなかった。苛烈な日々を乗り越えて卒業した。卒業後もミットをはめていた左の人差し指は腫れ上がったままで冷たくなっていた。激痛が走るらしく、人に見られないようにして手当てしていた。六大学を支えて来たのは彼のような男たちである。

 第8週、早慶1回戦、彼はうれしそうであった。

「上春三郎先輩(高松一)がお見えになりました」

 早慶2回戦。慶大が敗れ、立大の優勝が確定した。彼は愛媛県西条の稲門倶楽部幹事と観戦していた。

「夏に西条で全早慶戦があるんです。みんなで行って来ます」

 開幕の早慶3回戦もスタンドにいた。

「西条の前に熊本で全早慶戦があるんです。たのしみにしています」

 感嘆をとおりこしてあきれた。いい男である。世の中に出てから多くの苦難もあったろうに、人生何事もなかったようにいつも微笑を湛えている男である。=敬称略=(スポーツジャーナリスト)

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