
出演作放送中に無念の幕引き――。肺腺がんのため13日に81歳で死去していたことが15日に分かった女優の野際陽子さんは、3年前に同がんが見つかり、2度の手術に加えて抗がん剤治療を受けながら仕事を続ける凄絶な闘病生活を送っていた。4月から放送されているドラマ「やすらぎの郷」(テレビ朝日系)に出演中で来週には映画も公開。病と闘いながらも周囲に心配かけまいと気遣い、最後までスマートに自分のスタイルを貫いた“インテリ女優の先駆け”野際さんの人生をエピソードで振り返る。
関係者によると葬儀は親族により15日に営まれた。野際さんは4月ごろに重篤情報が一部で広がり、先月から入院していた。
「やすらぎの郷」では最近も野際さんの出演シーンが放送された。映画でも重要な役を演じた「いつまた、君と~何日君再来~」が24日の公開を控えており、がんと闘いながら演技を続けてきた野際さんは壮絶な最期を遂げた。
立教大学時代に演劇サークルに所属して英語劇などに出演。劇団に入り女優になるつもりだったが、新劇女優では生活ができないと思い、1958年にNHKにアナウンサーとして入局。このとき、応募者3000人以上で合格者たった10人ほどという狭き門を突破した。
ニュースなどを担当した後に「おはようみなさん」の司会を担当、美人女子アナとして人気が出た。その後、フリーとなり「女性専科」(TBS系)の司会を務めた。
NHKの女子アナ時代の失敗談をかつて本紙のインタビューで明かしたことがある。