
福岡の“うどん3傑”最後の雄はどう動く? 福岡県北九州市で1976年に創業し、福岡と山口県下関市で店舗を展開するうどんチェーン「資(すけ)さん」の全株式が投資ファンドに買収され、地元はもちろん、うどん好きの間で話題になっている。「北九州のソウルフード」として愛されてきた資さんうどんは全国展開が検討されているが、福岡のライバルチェーンにも店舗拡大を期待する声が上がっている。
独立系投資ファンド「ユニゾン・キャピタル」(東京都千代田区)が資さんを買収したことには悲しむ声も聞かれるが、買収によって今後は全国展開される可能性が出てきたことで、遠方に住む地元出身者からは「資さんが俺の地域でも食べられるぞ」と歓喜の声が上がっている。注目したいのは、これに関連し、ネット上で「『牧のうどん』も全国展開してほしい」との声が多数見られていることだ。
福岡県にはいずれ劣らぬ3大うどんチェーン店がある。「資さん」、「ウエスト」(福岡市博多区・1966年創業)、そして「牧のうどん」(糸島市、76年創業)だ。うどん以外に焼き肉業態も展開するウエストはすでに東京、千葉にも進出済み。資さんが九州以外に店を出すと、地元にとどまるのは牧のうどんだけになる。「九州外にもぜひ出してほしい」という声に、当の牧のうどんはどう答えるのか。
糸島市の牧のうどん加布里本店の宗直之店長(38)は「お客さまアンケートにも『牧のうどんを熊本に出して』『東京で食べたい』などの意見がよく書かれます。九州以外でも展開してという声をいただくことはとてもうれしい。私の親戚も横浜にいて『横浜でも食べたい』と言っています」と語る。