車を運転しているときに、「あれ? いつもと違うかも」と違和感を覚えることがあっても、走行に支障がなければ、「気のせいかな?」で済ませてしまう人も少なくないようです。しかし、そんな違和感を生む原因がトラブルや事故を招き、命を奪ってしまうことさえあります。



そこで今回は、筆者が違和感を覚えたにもかかわらず放置した結果、「一歩間違えれば事故になりかねなかった…」と、ゾッとしたリアルな経験をお伝えします。皆さんの参考になれば幸いです。



■タイヤを交換したら、なんだかブレーキの効きが悪くなった



カー用品店でタイヤ交換をしてから、ブレーキをかけても少し滑ってから止まると感じるようになり、ブレーキが効きにくくなったような違和感がありました。



けれど、当時よく助手席に乗っていた人に「この車って、ブレーキが効きにくくない?」と尋ねたところ、「こんなもんだろ、気にしすぎ」と言われてしまったため、自分の違和感にフタをしてしまったのです。



筆者が尋ねた人は、頻繁に筆者の助手席に乗ったり筆者の車を運転したりしていましたし、自分で別の車も運転していましたので、その人に違和感がないのなら…と思ってしまいました。



また、それからしばらくはあまり運転する機会がなかったことも、ブレーキの違和感を放置する原因となったのです。



そして、久しぶりに運転したときのこと。



前方の車が急ブレーキをかけたので慌ててブレーキを踏んだところ、タイヤが滑るような感じになって止まるのが遅れ、目の前には「ぶつかっているんじゃないか?」と思うほどの距離に前の車がありました。



事故に至らなかったからよかったものの、ハンドルを握っている手は震え、体内の血がひんやりと感じられたかと思った次の瞬間、心臓が口から飛び出してきそうな勢いで鼓動を打ち、全身が嫌な汗でぐっしょり…。



このあと、嫌な気持ちが晴れないまま入ったガソリンスタンドで「なんか、ブレーキの効きが悪い気がするんですけど、特に問題ないですよね?」と無意識に聞いた私の耳に、予想もしていなかった言葉が返ってきました。



「タイヤのサイズ、1本だけ違っていますよ。これじゃあ、ブレーキの効きも悪くなりますよね」



…そう、筆者はとても危険な状態で車を走らせていたのです。



■車検後、ブレーキに違和感を覚えるように



車検が終わってすぐ、ブレーキをかけても一瞬「ふわっ」という感覚のあとに車が止まるような違和感を覚えました。



以前、ブレーキの効きが悪かったときにタイヤのサイズが違っていたこともあり、今度はすぐにカー用品店に相談したのですが、「ブレーキパットも減っていないし、特に問題はないと思います」と言われ、「そうかなぁ…?」と腑に落ちないまま運転することに。



しかし、しばらくしてディーラーから無料点検のハガキをもらい、ブレーキの違和感についてなんとなく話してみたところ、ブレーキのホースの中に空気が入っていることが判明したのです。



「普通に運転をしていて空気が入るところではない場所」という説明があり、車検のときぐらいしか思い浮かばなかったことも怖かったです。



さらに、「ホースの中に空気が入っているとブレーキの効きが悪くなるため、急ブレーキをかけたときに思うように止まれない可能性もあり危険」との説明もあり、ゾッとしました。



■タイヤが軋むように感じていたのに…



最後に紹介するゾッとした経験は、冬の山道で起きました。



ある日、とても鋭利な石の上に乗り上げてしまい、慌ててタイヤを確認しましたが、側面と目で見える範囲には損傷なども見当たらず、時間帯が夜だったこともありそのまま帰宅しました。



なんとなく、タイヤがときどき軋むような妙な違和感はあったのですが、それほど気になるものでもなく考え過ぎだと思ってしまったのです。



それから数日後、仕事で山越えをして帰宅することになった筆者が、車通りの少ない冬の山道を快走していたときのこと…。



地面に落ちていた小さな落石を踏んだ途端「パンッ!」とものすごい音がして、片側に大きくハンドルを取られる状態になったのです。初めてのパンクでしたがすぐに気づきましたし、車から降りると、あきらかにタイヤの左側の空気が減っているのがわかりました。



そのとき走行していた道は、両端にかすかに雪が残っている程度だったのですが、少し先にあるトンネルを抜けると数十センチも雪の積もる白銀の世界。

そのため、JAFの到着まで約6時間かかりました。



それでも、下記のような条件が重なり、幸いそれほど心細い思いをすることなく過ごせたことはありがたかったです。



  • パンクした場所はギリギリ携帯電話がつながる場所だった(パンクした場所の数メートル先では携帯電話が圏外に)
  • 左にゆったりと停車できるスペースが近くにあった
  • 昼間にお土産にと買ったみかんが大量にあった
  • 山道を走るためにガソリンを満タンにしていた

このときのパンクの原因を、修理に来てくれたタイヤ専門店のスタッフに聞いてゾッとしました。



「小石を踏んだぐらいでは、ここまでのパンクはなかなかないので、鋭利な石に乗り上げたのが原因だと思いますよ」



さらに、「スピードを出すような高速道路とかでのパンクじゃなくてよかったですね」と言われ、「本当にその通り…」と何度も何度も思いました。



■まとめ



今回紹介した筆者のリアルな体験は、考え過ぎと済ましてしまうような違和感でありながら、一歩間違えれば他人を巻き込む大事故につながりかねないとゾッとしたものばかりです。



車は、命を運ぶ乗り物です。

違和感を覚えたときは自分の感覚を信じ、まずはカーディーラーや修理工場、ガソリンスタンドなどに車を持ち込みましょう。



また、1店舗だけでは違和感が解決されない場合は、「自分の感覚がおかしかったのかも?」と思い込まず、最低もう1店舗は回ってみることをおすすめします。