子育て中の家庭では、一般的に妻側の負担が大きく、仕事に忙しい夫には頼れないという事情もあります。いざという時に頼れる存在として、意思疎通のしやすい祖父母は頼りになる存在となっています。



信頼できる身内に子どものことを頼める安心感は、他には代えられません。また、子どもにとって信頼できる大人が身近にいるという環境も、成長に良い影響を与えてくれます。



■祖父母の気持ち…責任の大きさと「孫疲れ」



しかし、助けてくれている祖父母に対して遠慮のない言葉を発していませんか。子どもを預かってもらったのに、「なんでお昼寝させちゃったの」「夜、寝かしつけが大変」など言っていると苦情にしか聞こえません。



近年、たびたび聞かれるようになった「孫疲れ」という言葉があります。孫は可愛いものですが、高齢となった祖父母にとって、孫のお世話は大変疲れるもの。

「無事に帰ってくれるとホッとする」という本音もあるようです。内閣府が5年ごとに行っている「平成27年度 高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果」によると、日本では海外よりも孫と一緒に過ごすことを望む傾向にあることが分かりました。ただし、その割合は38年前と比較すると半減しているのです。大好きな孫とたくさん接したい気持ちと、預かる責任のバランスは難しくなっているようです。



■祖父母の「孫疲れ」を誘発?あなたのこんな行動をしていませんか?



孫はかわいいけれど、預かるのは大変…育児をできるだけ助けてあげたい気持ちもありますが、祖父母は負担を感じています。そこにはパパやママの何気ない言動が影響しているのかもしれません。



金銭面での孫疲れ

いくつになってもかわいい孫であっても、出費が大きくなると負担感も大きくなります。祖父母世代は老後の資金リスクに直面しているため、孫のおもちゃや食事、外食など、金銭的な負担感は年々重くなるのです。帰省などで長期間滞在する場合や日頃からお世話になっている場合は、食費分を渡すなどの心遣いが必要でしょう。自分たちも祖父母をサポートする側の世代であることを忘れないようにしましょう。



体力面の負担

体力面にも心配があります。何気ない公園遊びでもケガをしないように付いて回るのも厳しくなります。だれでも人の子どもを預かるとグッタリしてしまうのと同じでしょう。
ママにとっては身内に子どもを預けられれば最高の息抜きとなりますが、祖父母の健康も考えていきましょう。



考え方の違いからくる負担

子どもを預かってもらう立場なのに小言が出ていませんか。「お菓子何個目?」「もしかしてずっとテレビ見てた?」などの言葉は、子どもに言っているようで祖父母を責める言葉にもなっています。孫は孫であって祖父母の子どもではありません。長時間子どもをお願いするのであれば、多少の意識の違いは横に置いておきましょう。



■子どもを預ける際のトラブルを防ぐ方法とは



手助けをしてもらう際にはこのような負担感を意識してみましょう。身内といっても人間同士。トラブルを防ぐための心がけが必要になります。



子どもを預ける時に備えて日ごろから根回しを

祖父母に子どもを見てもらう際には子どもの情報が必須です。日々成長しますし変化もありますので「これじゃないとダメ」などのこだわりが急に出てきたり、突然、危険な行動をしてしまうとこともあります。まとめて説明するのは難しいため、日ごろから相談事のように様子を伝えるようにしてみましょう。



お互いの折り合いを意識する

どんなに仲の良い祖父母であっても、育児の方針や家事のことなど、お互いに口出しすることもあるでしょう。祖父母は子育て経験者ですが、最近の育児情報に混乱することもあります。そういう違いも意識しながら、折り合いをつけることを心がけましょう。



祖父母の「孫疲れ」「孫ブルー」に注意

孫を預かる側には「体力が追いつかない」「いつも頼られて疲れてしまう」という限界点があります。負担になりすぎないよう、自分たちでできることはできるだけ自力で頑張っていくことも大切です。



さいごに

多忙な育児生活で、信頼できる人の力を借りられるならばこんなに心強いことはありません。子どもにとっても祖父母に大切に育てられることは成長に良い影響を与えてくれるでしょう。



ただし、祖父母はあくまで協力者。負担をかけすぎないように日頃からの甘えやお願いを見直してみましょう。