管理職になると、自分の実績だけでなく、チームのパフォーマンスの高さも評価されます。そこで苦労するのが、部下のやる気を引き出すこと。

そこで、部下を育てるうえで気をつけたいことを紹介します。



■部下への声掛けが上司を消耗させる



部下への声掛けに慎重になる上司は多いですよね。それもそのはず、上司の何気ない一言で傷つく部下が半数近くにのぼるというデータがあるのです。



養命酒製造がビジネスパーソン1,000人に対しておこなった『東京で働くビジネスパーソンの疲れの実態に関する調査2018( https://www.yomeishu.co.jp/health/survey/pdf/20180718_tsukare_tokyobizperson.pdf )』によると、上司の言葉によって疲れが倍増した経験を持つ社員が41%にのぼることが分かりました。



1位「常識でしょ」/「当たり前でしょ」(24.4%)
2位「前にも言ったよね?」(23.9%)
3位「まだ終わらないの?」/「仕事遅いね」(21.0%)



1位の「常識でしょ」は、何気なく使ってしまう人も少なくないでしょう。しかし部下としては、「常識や慣習を振りかざされた」と受け止めてしまうようです。



一方で、部下の心情を気にして「とにかく褒める」上司もいます。しかし、やみくもに褒めるのは考えもの。「叱られる」という‟免疫“が部下につかず、大きな失敗をしたときに必要以上に落ち込んでしまうことも考えられるんですね。



このように、部下への接し方はとても繊細なこと。それゆえに、頭を悩ます上司は多いですよね。では、部下に対してどのように声を掛ければよいのでしょうか?



■部下のやる気を引き出す上司が意識していること



先ほどの調査では、「もし上司に言われたら疲れが半減すると思うセリフ」も発表しています。



1位「君がいると安心だ!いつも頼りにしているよ」(21.3%)
2位「すごいね、よくやった!期待以上の出来だ」(20.1%)
3位「君の心配りや優しさにはいつも感謝してる」(17.3%)



上位にランクインしているセリフは、部下の何気ない気遣いや嬉しかったことへの感謝を示せています。「部下をちゃんと見ている」「評価している」といった姿勢が、部下のモチベーションをアップさせるようですね。



一方で、「注意はしっかり伝える」というメリハリもやはり必要といえます。日頃から部下への期待や感謝を言葉にして伝えていれば、「この上司の言うことなら聞こう」と部下も思えるでしょう。



■部下への接し方に悩んだら、部下に聞いてみるのも1つの手



部下への声掛けだけでなく、接し方でも気をつけたいことがあります。



『マネジメントはがんばらないほどうまくいく うつうつ部下をいきいき部下に変える世界一シンプルな方法』によると、「部下ときちんと向き合うマネジメント」が上司に求められているといいます。



向き合うのが難しければ、わからないことを部下に教えてもらうことも大切。最近ミスが増えている部下に、「ミスが増えているけど、どうすれば改善できると思う?」と聞いてみるのも1つの方法ということです。



そして部下が困っている原因や、改善方法の手がかりをいちばん持っているのは、実は部下本人。そのため部下の考えを聞かず、上司の個人的な意見を一方的に伝えることは、上司の‟傲慢“ともいえるんですね。



部下への接し方に困ったら、部下に直接聞いてみる。答えは、意外と近くにあるのかもしれません。



■部下の意見を尊重しつつ、パフォーマンス向上を目指そう



上層部だけでなく、部下にも気を使わないといけない管理職は大変な役回り。ただ、人材育成は上司の大切な仕事の1つです。苦労も多いでしょうが、部下の意見も尊重することで、部下のパフォーマンスは目に見えて上がりやすくなるでしょう。



参考:『東京で働くビジネスパーソンの疲れの実態に関する調査2018( https://www.yomeishu.co.jp/health/survey/pdf/20180718_tsukare_tokyobizperson.pdf )』養命酒製造