キャッシュレス決済に対して最大5%分のポイントが還元される制度は2020年の6月までの期間限定ですが、これをきっかけとして、日々の買い物の際に現金以外の方法で支払うようになったという人も多いのではないでしょうか。



『Tポイント』や『dポイント』のようにいくつものお店で使えて貯められる共通ポイントの普及や、買い物に限らずwebサイトやアプリで広告を見たりアンケートに答えたりすることでもポイントが付与されるなど、身の回りのさまざまな場面でポイントをやりとりできる環境が整ってきました。



最近では、そうしたポイントを上手に使うことでお得に暮らそうというポイント活動、いわゆる『ポイ活』という言葉も生まれています。



その一方で、ポイントを貯めたいあまりについつい余計なものを手にとったり買い過ぎたりと、お得に暮らすはずが、かえって無駄遣いの元になっているという指摘もあります。



人によっては、せっかく貯めたポイントを知らず知らずのうちに無駄にしてしまっているかもしれません。



今回は、そんな『ポイ活』についての注意したい点と、貯まったポイントのさまざまな使い道についてご紹介します。



■今、人気のポイントサービスは?



モバイルリサーチを展開するネットエイジア㈱の「日本人のポイント活用に関する調査( http://www.mobile-research.jp/investigation/research_date_200227.html )」(対象:20歳~49歳の男女2,000人、期間:2020年1月24日~27日、方法:インターネット調査)によると、利用しているポイントサービスの順位は以下の通りです。



1位:「Tポイント」(65.7%)
2位:「楽天スーパーポイント」(60.2%)
3位:「Pontaポイント」(46.6%)
4位:「dポイント」(34.8%)
5位:「Amazonポイント」(25.0%)
6位:「LINEポイント」(23.0%)
7位:「nanacoポイント」(22.4%)
8位:「WAON POINT」(21.5%)
9位:「WAONポイント」(17.4%)
10位:「ヤマダポイント」(13.5%)



となっています。


2019年2月実施の前回調査結果を比較すると、利用率が5ポイント以上上がったサービスは、



・「楽天スーパーポイント」(2019年54.4%→2020年60.2%)
・「dポイント」(2019年28.5%→2020年34.8%)
・「LINEポイント」(2019年17.7%→2020年23.0%)



となっており、とくに「LINEポイント」は順位を大きく上げているようです。キャッシュレス化が進み、貯めやすいポイント、使用しやすいポイントが変わってきているのかもしれません。「ポイ活」の参考にしてみてくださいね。



■せっかく貯めたポイントを無駄にしてしまっている!?



対象となるお店で買い物をしたりwebアンケートに回答したりすることで、コツコツ貯めたポイント。利用先も増えてきてとても便利ですが、一つ注意したいのが、お金とは違って「有効期限がある」ということです。



そのため、貯めるだけ貯めて使うのを忘れているうちに失効してしまった…ということが起こり得ます。



また、「いつまでに使い切ってください」という有効期限だけではなく、「こうした目的にしか使えません」と、用途が限定されているポイントも少なくない点にも注意が必要です。



例えば、クレジットカードのサイトやアプリで貯められるポイントは、商品や商品券への交換のほか、マイルに変換したり専用サイトでの買い物に使ったりできますが、その中に必ずしも今求めている商品や使い道があるとは限りません。



そうして使うのを先延ばしにしているうちに期限切れになってしまうのは勿体ないですし、だからと言って欲しくもない商品と交換したり、あるいは期限までにキリの良い数のポイントを貯めようと無駄な買い物をしてしまったりするのでは、本末転倒です。



新しく「このポイントを貯め始めようかな」と考えたときには、貯まりやすさだけではなく、いざポイントが貯まったときの使い道についてもチェックするようにしましょう。



■ポイント払いだけじゃない、お得な使い道をチェック



では実際、専用サイトや店舗でのポイント払いや商品との交換以外に、どのような使い道があるのでしょうか?



手軽に利用できるおすすめの方法が、「電子マネーへの交換」です。



現金の代わりに使える電子マネーに交換することで、ポイントのまま持っておくのとは違って有効期限がなくなります。

スマホアプリに対応していることが多いので、ちょっとした買い物なら財布を持ち歩かずに済む点でも便利です。



その他の活用法として、「ポイント運用」や「ポイント投資」を始めている人もいます。「運用」「投資」と聞くと、初めは少し抵抗を覚える人もいるかもしれませんが、あくまでも現金ではなく貯まったポイントを使うという点で、より気軽に始められるのではないでしょうか?



「ポイント運用」は、文字通り貯まったポイントを運用して増やしていくというものです。ポイントとはいえ投資には違いないので、当然失敗して元手よりも減らしてしまうリスクはありますが、失うのはあくまでも「貯まっていたポイント」だけ。



手持ちのお金が減ってしまう訳ではないので、気負わずに始められる点がメリットでしょう。ポイント運用を始めるにあたって、新しく専用口座を開設するといった必要はありませんし、運用で増やせた分のポイントは、もともと持っていたポイントと同じように使うことができます。



一方の「ポイント投資」では、専用の証券口座やマイナンバーなどによる本人確認が必要となる点で少しハードルが高いものの、貯まったポイントを現金にかえて投資信託などの商品を購入できます。



ポイントを元にして少額から投資が始められるので、初めて投資に挑戦してみたい人にとっては良いきっかけになるかもしれません。取引をしない月にも利用手数料などがかかる場合があることや、こちらも運用していくなかで損失が発生する恐れがある点には注意しましょう。



■お得に貯めるのはもちろん、無駄なく使い切ってこその『ポイ活』



今後、キャッシュレス化の推進と相まって、ポイントを貯めることのできる機会も使える先も次々と増えていくでしょう。『ポイ活』をするにあたっては、お得に貯めるチャンスを逃さないのはもちろんのこと、貯まったポイントを運用して少しずつでも資産を増やしたり、期限や用途をきちんとチェックして無駄なく使い切ることも大切です。



上手にポイントと付き合って、どんどんお得に活用していきましょう!



【参考】
「キャッシュレスポイント還元事業( https://cashless.go.jp/ )」キャッシュレス推進協議会
「日本人のポイント活用に関する調査( http://www.mobile-research.jp/investigation/research_date_200227.html )」ネットエイジア