子どもを連れての外出は、突然泣かれたり、言うことを聞いてくれなかったりと大変なものです。



ただ、「こっちは大変なんだから大目に見てくれるだろう」という横柄な態度で子どもを野放しにすれば、周りに迷惑をかけるだけではなく、「これだから子連れは困る」という悪いイメージを広げてしまうことにもなりかねません。



こうした「子どもなんだからしょうがない」「子連れなんだからいいでしょう」という態度の親を「子連れ様」と呼ぶようです。今回は子どもを連れた外出や長距離の移動などで気をつけたいマナーについて考えます。



■公共の場での授乳ケープを使った授乳はマナー違反?



赤ちゃん連れの外出時は、「大声で泣かせないこと」が最重要課題。なんで泣いているか分からないときは、とにかく泣き止ませるためにケープを使ってとりあえず授乳をしてしまうという場合もあるようです。



この授乳ケープさえあれば授乳室を探す手間も省けますし、いつでもどこでも授乳ができるというのがメリットです。ただ、ケープを使った授乳を「目のやり場に困るからやめてほしい」と考えている人もいるのです。



母親になると、授乳中は”恥ずかしい”という感覚よりも”赤ちゃんのおっぱい(食料)”という意識が強くなります。当人は「別に胸を見せるわけじゃないし」と気にしなかったとしても、周囲に不快に感じる人がいるかもしれないと配慮することが必要です。



たとえば周りに一言断りを入れることはもちろん、なるべく人がいない場所を選んだり、壁を向いて授乳をするなど、あまり大っぴらにしないほうが無難だと言えるでしょう。



■公共の場所ではルールがあることを子どもに諭す



スーパーなどで子どもが手を離して走り回ってしまったり、道で大声を出して遊んだりなど、親にしてみれば「子どもなんだしこれくらい勘弁して」と感じることも、目障りだと思う人が周囲にいるかもしれません。



万が一、子どもをほったらかしにして他人から怒鳴られたりすれば、子どもが傷つく可能性もあります。



日本は子どもに対する寛大さがない社会だと言われることもありますが、ルールはルール。

小さな子どもに言い聞かせるのは簡単なことではありませんが、公共の場でのルールを覚えてもらうためにも繰り返し注意することが大切です。



また、子どもがすぐに言うことを聞かなくても、親がきちんと子どもに教えているという姿勢を見せることで周囲の目も変わるのではないでしょうか。



■子連れの長距離移動はプレッシャー?



帰省時など、小さな子どもを連れての長距離移動も大変です。その中で飛行機の場合は、航空会社や国内線・国際線により異なりますが、子ども連れ向けに配慮したサービスが提供されています。



たとえば機内にベビーベッドがあったり、携帯用ベッドを持ち込めたりする場合もありますし、粉ミルクやオムツ、オモチャが用意されていることもあります。



ただ、一度離陸すると降りることができない機内で子どもが泣かないか・騒がないかというのは、親にとっては大きなプレッシャーです。



また、「まだ小さな子どもを飛行機に何時間も乗せるなんてかわいそう」「親の旅行に付き合わせるなんて非常識」と考える人もいるもの。確かにあの狭い空間で何度も子どもに泣かれてしまうと、他の乗客がうんざりするのも無理はありません。



他に手段があれば飛行機を避けるほうが無難かもしれませんが、どうしても利用せざるをえないケースもあるでしょう。



そのため、なるべく子どもがご機嫌でいられるように寝る時間をフライトに選んだり、お気に入りのおもちゃやお菓子を用意しておくなどの工夫をしたり、離陸前に周囲の人に「うるさくしたらごめんなさい」と言っておくなどの配慮をしましょう。



■おわりに



たとえ子どもがうるさく騒いだり、マナーを守れなかったりしたとしても、ほとんどの場合、親が周囲に配慮する姿勢を見せていれば直接的な悪意をぶつけられることはほぼありません。



「子どものすることだから」と子どもを野放しにし、「子どもがいるんだからしょうがない」と、我がもの顔の行動を親がすることが問題なのです。



子連れに対して否定的な態度になるのは、親の行動に対して嫌悪感を抱いている場合がほとんど。「子連れ様」なんて言われないよう、周りへの配慮を心がけていきたいものです。



そして、子どもを連れている側も、周囲の人たちも、お互いに思いやりを持てるような社会になるといいですね。