2021年も残り1カ月と少し。1年を振り返り、「今年は思ったより貯金できなかった」なんて溜め息をつかれている方もいるのではないでしょうか。



貯金の代表的な方法として、「給与天引き」と「ボーナス一括貯金」があります。毎月コツコツと貯まっていく給与天引きと、まとまった金額が貯まるボーナス一括貯金。どちらの方がよりお金が貯まりやすいのでしょうか。



今回はファイナンシャルプランナー(FP)の資格をお持ちで、マネイロで資産運用のアドバイスをしている柴又順平さんに、メリット・デメリットやそれぞれ向いている人はどういう人かお話をうかがいました。



■Q. 「給与天引き」で貯金をするメリットとデメリットを教えてください。



給与天引きのメリットは、天引きされることで自動的に貯金できる点です。

給与は天引き後の金額が入金されますので、しっかりと貯蓄することができます。



反対にデメリットは、天引き後の金額内で毎月の生活費をやりくりする必要があることでしょう。残った金額以上の出費がある場合、いくら天引きをしても貯蓄は増えません。毎月の生活費が赤字にならないよう、「いくら貯金するか」はじっくり考えましょう。



給与天引きで有名なものとして、福利厚生の一環である「財形貯蓄」があります。財形貯蓄には、「一般財形貯蓄・財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄」があります。

特に、財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄を合わせて元利合計550万円までは、その金額に対する利子は非課税となります。



■Q.「 ボーナス一括貯金」で貯金をするメリットとデメリットを教えてください。



ボーナス一括貯金のメリットは、まとまった金額で貯金できることです。ただこの場合、毎月の給与で生活費をやりくりできている場合になります。



反対にデメリットは、ボーナス時期に急な出費があり、ボーナス分を貯金にまわすことができない場合でしょう。旅行をしたり家電の買い替えをしたりなど、急な出費が起こるケースはしばしばあります。



また、ボーナスは景気や企業業績に大きく影響されます。不景気が続けば、ボーナスが減ったり出なかったりする場合もあるでしょう。そうすると、貯金自体ができなくなることもあります。急な出費やボーナス減少の可能性も踏まえておくべきでしょう。



給与天引きに比べると、ボーナス一括貯金は貯金できる金額がその都度変化しやすいと言えるでしょう。



■Q. お金を貯めるには、どのような人がどちらの貯金法に向いているでしょうか?



「給与天引き」に向いている方は、目標金額までコツコツと貯めることが好きな方です。

また、天引き後の生活費の収支が赤字になることなく、残された資金でやりくりができる方に向いています。



一方で「ボーナス一括貯金」が向いている方は、毎月の給料の範囲内で生活費をやりくりし、ボーナスは余剰資金として考えている方です。毎月の生活費の赤字をボーナスで相殺しようとしている方には向きませんので、注意して下さい。



■まとめにかえて



どちらにも共通する点として、まずは「自分は月いくらで生活できるか」を把握する必要があるようですね。月々の生活費を把握した上で、自分には「給与天引き」が向いているか、それとも「ボーナス一括貯金」が向いているかを検討しましょう。



月の収支が赤字になってしまう場合は、まずは固定費や食費などの見直しから行うといいでしょう。

年末年始はお休みの方も多いので、固定費の見直しが行いやすい時期ですね。家計を見直しながら、来年は目標通り貯金ができるよう、自分に合った貯蓄法を選んでみてください。



■参考資料



  • 厚生労働省「財形貯蓄制度」( https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106564.html )