■自動車ローンや残価設定ローンとは



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自動車を購入する際の支払い方法には現金払い、ローン払い、クレジット払いの3つに大きく分けることができます。



日本自動車工業会「2021年度乗用車市場動向調査 報告書」によると、「現金一括」は6割弱、「一般のローン/クレジット」「残価設定・据置型ローン/クレジット」利用はともに2割程度となっています。



自動車ローン借入額や返済比率は年収の何割か?残価設定ローンのメリットとリスクも解説

出所:日本自動車工業会「2021年度乗用車市場動向調査 報告書」



その中でもローン払いは、ディーラーや金融機関から自動車の購入資金を借りて分割で支払う方法。貯金を一度に失わずに済む、家計の見通しが立てやすいといった利点があります。

その一方で、ローンの返済を行う場合、車両本体価格だけでなく金利も一緒に返済する必要がある、完済まで車が所有物にならない、審査に通らない資金を借りることができないといった欠点もあります。

ただ、分割して支払うことができるため、多くの人が使用している支払い方法でしょう。

今回はローン払いについて詳しく解説していきます。



■自動車ローンを組むなら「借入上限額」と「返済比率」がポイント



自動車ローン借入額や返済比率は年収の何割か?残価設定ローンのメリットとリスクも解説

気になるのが、自動車ローンを組む際、どれだけ借り入れできるかと言うことでしょう。



自動車ローンを組む場合、車体価格だけでなく、ローン利息や税金などの初期費用、自動車を運用していく際に必要な維持費などがかかります。



そのため、契約前に入念にローンの返済を含めた資金計画を考えることが必要です。



自動車ローンを組む場合に目安となるのが「借入上限額」と「返済比率」です。借入上限額とは、自動車ローンを組む時、自身の年収から算出する借入額の上限です。借入上限額は年収の30パーセントから40パーセントが目安です。



そして、年収の中で、ローンの返済額が占める割合が返済比率です。

返済比率の目安は、年収25パーセントから35パーセントが一般的と言われています。



ここで注意したいのが、返済比率は車以外の借入れも含めた場合の合計額から算出するところ。そのため、自動車ローンを組む際は事前にライフプランを考えることをお勧めします。



■支払額を抑えるなら残価設定ローンも方法の1つ



自動車ローン借入額や返済比率は年収の何割か?残価設定ローンのメリットとリスクも解説

自動車ローンには、通常のローンだけでなく、残価設定ローンがあります。



残価設定ローンは、ローン契約満了時の想定下取り価格である残価を設定し、車両価格から残価を差し引いた価格を契約期間で分割して支払うプラン。ローンの最終支払い時まで据え置くことで、毎月の支払額を抑えることができるのが特徴です。



残価に関しては中古車市場の動向を参考に、ディーラーが独自に決定します。



一般的に中古車市場で価値が高い車ほど残価が高く、支払額は安くなる傾向にあるため、高額な高級車でも毎月の支払額を抑えることが可能です。そのため、車の購入時にあらかじめ残価を設定するため、一定の買取価格が保証されているという安心感があります。



注意点としては、据え置いた残価は最後に精算する必要があります。残価設定ローンは、原則的に返却を前提としており、契約期間が終了した場合は「車を乗り換える」「残価を支払って乗り続ける」「返却する」の3つの選択肢が用意されているのが一般的です。



■残価設定ローンのデメリットとは



このように、支払額を抑えることができる残価設定ローンですが、注意点もあります。



まず、残価設定ローンの金利は、据え置いた残価にも金利がかかるため、残価を据え置くと、元金の減りが遅いため利息の負担額が増えてしまう可能性があります。



また、残価設定ローンは走行距離の制限などを定めていることがあります。これは、車の価値を維持するために行われるためです。

そのため、規定されている制限距離を超えて走行する、車に傷やへこみを作る、改造を行うなど、車の価値が落ちてしまうと、契約満了時に車体の返却などを行う際、残価との差額を請求される可能性があります。

他にも、残価設定ローンを使用して車を乗り換える場合、原則として購入した販売店に車を返却し新たな車を選びます。ほかのメーカーの車に乗り換える際は、残価を精算する必要があるといった欠点もあります。



■自動車ローンや残価設定ローンはじっくり検討する



残価設定ローンは最終的な残価を支払う必要が無いという利点があるため、毎月の返済額や支払総額ともに安く抑えることができるという大きな利点があります。



しかし、短期間ではなく長期間所有するなど長く乗り続ける場合、一般的なローンを利用したほうが支払総額を安く抑えることができます。



また、通常の自動車ローンでも、契約を行う際に頭金を支払うことでローンの借入額を減らすことができます。

自動車ローンを検討する場合、返済比率や収入などを基にしてシミュレーションを行いましょう。

自動車は購入や維持を行う際、まとまった費用が必要となります。通常のローンや残価設定ローンを比較しつつ、お得なカーライフを送ることができれば幸いです。



■参考資料



  • 日本自動車工業会「2021年度乗用車市場動向調査 報告書」( https://www.jama.or.jp/release/docs/release/2022/20220420_2021PassengerCars.pdf )
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