まだ進化する「電子ペーパー」、電子ブック以外へ用途拡大

■ 台湾E Inkの業績回復、大阪大学は新技術



まだ進化する「電子ペーパー」、電子ブック以外へ用途拡大

 紙のような表示品位を持つ電子ディスプレー「電子ペーパー」が一気に世の中へ知られるようになったのは、米Amazon.comが2007年に発売した電子ブック端末「Kindle」がバカ売れしてからだ。今では電子ブック端末はかつてほど売れなくなったものの、1台に何百冊もの書籍を保存できるという利便性が受けて根強い人気がある。端末が世代を重ねるごとに電子ペーパー自体の技術も進化しており、その機能・特性を生かせる新たな用途へ徐々に採用を広げている。



■省エネで表示し続けられるのが利点



 まず、電子ペーパーの表示技術から解説しよう。電子ペーパーは別名「マイクロカプセル型電気泳動方式ディスプレー」と呼ばれている。帯電させた黒と白の粒子と溶媒をマイクロカプセルの中に入れ、これに電気を流すと電極に粒子が吸い寄せられ、白と黒の表示や中間色であるグレーの表示を切り替えることができる。



 電子ペーパーの強みは、液晶や有機ELといった他のディスプレーに比べて大幅に消費電力が小さく、いったん表示した画像を保持し続けられる点にある。決してフルカラーや動画の表示には向かないが、液晶には不可欠なバックライトが要らず、表示内容を切り替えたい時にだけ電力をわずかに消費するため、電源がないような場所にも設置できるのだ。



■台湾E Inkがほぼシェア独占



 電子ペーパーの製造で独占的な地位を確保しているのが台湾E Inkである。同社はもともと1992年に設立された液晶ディスプレーメーカーのPrime View International(PVI、元太科技工業)が前身であり、09年に米国企業だったE Inkを買収し、社名をPVIからE Inkに変えた。PVIは、電子ペーパー技術への注目度が高くなかった05年にフィリップスの電子ペーパー事業を買収するなど、早くからその将来性に着目し、12年には競合メーカーの台湾SiPixを買収したことで、電子ペーパー市場で独占的なシェアを持つに至った。

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