■資産1億円以上の富裕層はどれくらいいるのか
過去の同月に公開された記事をプレイバック!もう一度読み直したい、「編集部セレクション」をお届けします。
(初公開日:2022年9月16日)
みなさんは「富裕層のお金の使い方」と聞くと、どのようなイメージでしょうか。
少し前に「爆買い」という言葉が流行ったように、日本に訪れる「富裕層」もかなり多くいます。
観光庁によるとコロナ禍前の2019年には日本に来る外国人観光客は年間2800万人を超え、中には一度の旅行で100万円以上使う富裕層もおり、今年度は富裕層の誘致のためにモデルとなる観光地を10カ所選び、地域の観光戦略を集中的に支援すると各種メディアで報じられました。
このように富裕層といえば豪快な暮らしをする印象がある一方で、「使うところは使い、使わないところは徹底して使わない」と決め、質素な暮らしに満足する富裕層もたくさんいます。
そこで今回は、富裕層の方が行っている節約ポイントについて、富裕層の特徴とともにお伝えしていきます。
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■資産1億円以上。日本に富裕層はどれくらいいるのか
まずは日本における富裕層の割合から見ていきましょう。
単純に「富裕層」とは言っても感じ方は人それぞれなため、野村総合研究所が公表している「マーケットの分類」を参考にして、富裕層についてみていきましょう。
【写真1枚目/全1枚】純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数
出典:野村総合研究所「日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆と推計」
■マーケットの分類(世帯の純金融資産保有額)
- 超富裕層(5億円以上):8万7000世帯/97兆円
- 富裕層(1億円以上5億円未満):124万世帯/236兆円
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満):341万8000世帯/255兆円
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):712万1000世帯/310兆円
- マス層(3000万円未満):4215万7000世帯/656兆円
純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」、5億円以上の「超富裕層」を合わせると132万7000世帯となりました。
つまり、資産1億円以上の世帯の割合は以下のようになります。
- 132万7000世帯 ÷ 5402万3000世帯 = 2.45%
資産1億円以上の世帯の割合は、およそ50世帯に1世帯といえます。
そんな富裕層の方ですが、実は冒頭でも触れたように「節約家」の一面をもっている方が多く、非常にメリハリのあるお金の使い方を普段からしています。
今回は富裕層の「節約ポイント」に焦点を当てていきます。富裕層の方はどういった場面でお金を節約しているのか覗いてみましょう。
■富裕層の節約ポイント1.洋服代はそこまでかけない
お金持ちはブランドもので身を固めるイメージがありますが、実際は機能性を重視した洋服を選ぶ方が多い印象があります。
特に日常生活で着る服については機能性を重視しており、パッと見て富裕層とはわからない方も多いものです。
服は買った途端に価値が下がるものであるため、富裕層はそういったものにお金をかけない傾向があります。
また、服を選ぶ時間を他に使うためにも、毎朝悩まなくて済むように似た服ばかりを買う富裕層もいます。
■富裕層の節約ポイント2.長持ちするものを買う
富裕層は頻繁に新品に買い替える印象がありますが、物持ちは良いです。
たとえば靴や家具などは高くても長持ちするものを買い、時には修理して長く使う方もいます。
長く使用することで結果的に安く済むと考えているのです。
■富裕層の節約ポイント3.光熱費を抑えるために見直しや買い替えを行う
光熱費はあまり気にしない印象があるかもしれませんが、ここからも強い節約へのこだわりが垣間見えます。
たとえば電気代が安く済む家電に興味があり、壊れるまで使うのではなく、電気代の低いものへ買い替えた方が結果的に安くなると判断して買い替える方もいます。
環境省のCOOL CHICEによれば、電球をLEDにすると年間で-約86%(-2511円)(※ほぼ同じ明るさの一般電球と電球形LEDランプを比較※「住まいの照明省エネBOOK 2020年度版」)の節約になります。
また、近年では電気やガスなどの自由化に伴い選択肢が増えていますが、固定費の見直しも富裕層は行います。
こういった生活コストは月単位で見ると大きな差ではないようにみえますが、何年も積み重なると非常に大きな差になってきます。
長期目線で見て生活コストが節約できる方法を日頃から探し、実践しているのです。
■富裕層の節約ポイント4.安く済むレジャーを楽しむ
休日にはショッピングモールやテーマパークに出かける方もいるでしょう。お金をかけるレジャーこそ楽しいと思っていませんか。
富裕層の休日はお金をあまりかけないことも多く、子どものスポーツ観戦や孫との交流、無料で利用できる公共施設の利用、釣りや山登りをするという方もいました。
「レジャー=お金をかけるもの」とは考えず、自分が満足行く時間の使い方について一度じっくり考えてもよいでしょう。
■富裕層の節約ポイント5.スーパーやドラッグストアの活用
同じものであっても、コンビニよりスーパーやドラッグストアで買う方が安く変えるケースも多々ありますよね。
また、コンビニは便利なだけでなく魅力的なものが多くあり、その誘惑に負けてしまうことは誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。
富裕層はそれを知っているため、はじめかたスーパーやドラッグストアで買い物をして生活コストを落とす意識を持っています。
■まとめにかえて
今回は富裕層の方が行っている「節約ポイント」に焦点をあててみましたが、ただ単に真似しようとしても逆にストレスが溜まり、発散のために逆に散財してしまうこともありえます。
大切なのは自分の中で「お金を使うポイントと使わないポイント」にきちんと線引きをしておくこと。
手当たり次第に買い物をしたり、日々の生活コストに気を全く配らなかったりしているとなかなかお金も上手く貯まらず、いざ使いたい時に思い切り使えないことも考えられます。
一度自分自身の生活を振り返り、そういった線引きをしてみてはいかがでしょうか。
■参考資料
- 野村総合研究所「日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆と推計」( https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2020/cc/1221_1 )
- 環境省「COOL CHOICE」( https://ondankataisaku.env.go.jp/shinkyusan/knowledge02.html )