本日のレンジ予測

[本日のドル/円]上値メドは110.80下値メドは106.40

今朝の天気マークは「雨」


※天気の判定基準は記事末尾にあります


110円は遠い?


 楽天証券が5月末に実施した相場アンケートの結果によると、回答頂いた5,054人のうち約33%(1,647人)が、6月のドル/円は「ドル安/円高に動く」と考えていることが分かりました。一方「ドル高/円安に動く」と考える人の割合は最も少ない約25%(1,279人)。最も多かったのは「動かない(わからない)」の約42%(2,128人)でした。


 ドル/円は先週の米雇用統計発表後の109.85円をピークに108円台に押し戻されています。さらに円高に進むのか。それとも多くの投資家が考えるように「動かない」相場に戻ってしまうのか。そのドル/円の方向を決めるかもしれないイベントがあります。


 それは今週のハイライトであるFOMC(米連邦公開市場委員会)。10日(日本時間11日午前3時)に政策金利発表、その後にパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)の記者会見が予定されています。


 6月5日に発表された5月雇用統計が目覚ましい改善を示し米経済回復の期待が膨らむ 中でも、短期金利はなお非常に低水準にとどまっています。これはFOMCが、より積極的なフォワードガイダンスを発表することをマーケット参加者が警戒しているからと考えることができる。今日から始まるFOMCでは、YCC(イールドカーブ・コントロール)や、資産購入を終了期限の定めのないオープンエンド型に移行することなどを討議することになります。


 YCCとは「長短金利操作」とも呼ばれ、長期金利と短期金利の誘導目標を操作してイールドカーブを適切な水準に維持すること。FRBがこれまで政策金利として誘導目標としてきた翌日物金利よりも長い期間の金利を操作対象にすることを検討するということ。


 昨日のドル/円の動きは「今日の注目通貨」、そして今注目の株価と原油先物のチャートは「今日の注目グラフ」をご覧ください。


毎ヨミ!FXトップニュース

8日のドル/円のNY市場終値は108.44円

 前営業日の終値比▲1.15円だったので、今朝の天気マークは「雨」です。


今日の格言:

私は天才ではない。

ただ人より長く一つのことと付き合ってきただけです -アインシュタイン


今日は何の日(6月9日):

ローマ皇帝ネロが自殺(68年)
元寇 弘安の役の始まり(1281年 - 弘安4年5月21日)
イギリスが香港のうち新界の租借権を獲得(1898年)
第二次世界大戦 日本本土空襲(1945年)
イスラエルがゴラン高原占領(1967年)


各国・各通貨トピックス

新型コロナウイルス:
    ブラジルもWHO(世界保健機構)脱退を検討。ブラジル大統領はコロナ感染対策に反対
    航空機エンジンメーカーのロールスロイスをジャンクに格下げ


ドル:
    ミネアポリス市、警察を解体し再建へ
    ライトハイザー米国通商代表「中国との貿易はとても順調」
    カプラン・ダラス連銀総裁「FRBの低金利政策はしばらく継続」


ユーロ: 
    欧州復興基金の設立に失敗したなら、欧州の結束が崩壊か
    2022年の仏大統領でルペン大統領が誕生の可能性も


ポンド:
    ブレグジット問題、北アイルランドのバックストップが再び議題に
    英政府、5Gにファーウェイ製品使わない方針に転換。米国に配慮


原油先物:
    シェールガスが原油高で増産へ。OPEC(石油輸出国機構)が懸念


中国人民元:
    ブラジルからの大豆輸入量、前年比60%に急増。
    中国政府、オーストラリア旅行に「行ってはいけない」と国民に呼びかける


その他:
    ベルサイユ宮殿が再開へ
    WHOにサイバー攻撃急増。職員らのメールアドレスとパスワード大量流出


主要指標終値

「6月のドル/円は円高」。投資家の3割が予想 週明けのドル/円は大幅下落、108円台前半へ逆戻り
出所:楽天証券が作成

本日の注目通貨

ドル/円:今日のレンジ予想:106.40円から110.80円

 週明けのドル/円は大幅下落。
109.60円からスタートしたドル/円は109.70円が高値。NY時間になって109円が割れると、108.23円まで大きく値を下げました。

先週金曜日の米雇用統計発表後は109.85円をつけ110円台が見えていたのですが、この「大台」の重さを改めて確認することになりました。今日はFOMCを前に下限を確認する日になりそうです。下のターゲットは6月安値ゾーンの107.50円から107.30円。


「6月のドル/円は円高」。投資家の3割が予想 週明けのドル/円は大幅下落、108円台前半へ逆戻り
出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

今日の注目グラフ:

ダウ平均と日経平均の推移(2019年6月~2020年6月)
「6月のドル/円は円高」。投資家の3割が予想 週明けのドル/円は大幅下落、108円台前半へ逆戻り

 先週のNY株式市場は大幅全面高。ナスダック総合は2月19日に付けた史上最高値を更新。主要3指数がそろって3週続伸。S&P500は昨年末水準まで1.14%に迫り、ダウ平均は年初来下落率を5.00%に縮小。


 最近の株式市場の上昇は、実体経済とあまりにかい離しているのではないかという指摘がありました。しかし、6月5日に発表された米5月雇用統計が急速な回復を示したことで、米経済回復に対する期待が高まり、景気敏感株を中心に幅広い銘柄が買われた。


 週間では、ダウ平均が+6.81%、S&P500が+4.91%、ナスダックが+3.42%。主要3指数がそろって3週続伸。


NY金先物とNY原油先物の推移(2019年6月~2020年6月)
「6月のドル/円は円高」。投資家の3割が予想 週明けのドル/円は大幅下落、108円台前半へ逆戻り

 先週末の金先物価格は下落。5月米雇用統計が大きく改善したことを受け、安全資産とされる金を売る動きが強まった。


 原油先物価格は上昇。OPEC+が過去最大規模の協調減産を1カ月延長することを決定したことは市場にとっては良いニュース。また、イラクなどコンプラ違反(増産)の国に対しては、7-9月に減産量を拡大し、超過分を相殺させるという厳しい態度で臨んだことも好感されました。OPEC+はマーケットに対してはっきりしたメッセージを送ったといえます。


新型コロナウイルス 世界の感染者数 
「6月のドル/円は円高」。投資家の3割が予想 週明けのドル/円は大幅下落、108円台前半へ逆戻り

 ブラジルは新型コロナの感染者で世界2位に「躍進」。死者数はイタリアを上回り、世界で3番目の多さ。ブラジルのボルソナロ大統領は、新型コロナは「ちょっとした風邪」みたいなものだし「人はみな、いつか死ぬ」とお気楽発言を連発して気にする素振りはなし。ブラジルは感染拡大防止に関しては完全な失敗国家といっていい。ブラジルの1000人当たりの病床数は2、医師は2という後進医療事情も感染拡大を許しています。ブラジルは先週末に突然、感染データを非公開に。ボルソナロ氏、やっぱ気にしているのか。南米ではペルーの感染者がドイツを上回る。インドでも感染が拡大中で、感染者はイタリアを抜いて数世界5位。ムンバイでは医療崩壊が心配されています。


 米国の新型コロナによる死者は10万人を突破。毎日平均して約1,000人が亡くなっています。人口10万人当たりの死者数では、米国は世界9位。ベルギー、スペイン、イギリス、イタリア、フランスなどが米国のさらに上に位置。


トレード前に必ずチェック!今週発表の重要指標!

「6月のドル/円は円高」。投資家の3割が予想 週明けのドル/円は大幅下落、108円台前半へ逆戻り
経済指標過去データは楽天証券サイトにてご確認ください。 出所:楽天証券作成

◎天気の判定基準とは?


天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。


・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。


・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。


・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。


※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。


※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。


(荒地 潤)