不振のモバイルゲームは2025年に復調へ、独自の競争力と実行力を評価

現地コード 銘柄名 09999

網易


(ネットイース)


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162.50HKD
(2/21現在)


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 中国のオンラインゲーム大手、ネットイースの2024年10-12月期決算は、中核のゲーム売上高が前年同期比5%増加したが、これはPCゲーム収入の57%増によるもので、モバイルゲーム収入は11%減少した。粗利益率は予想を下回る60.8%。

半面、主に販売・マーケティング費の抑制で、営業利益率は市場予想を上回る29.2%に達した。BOCIはリソース配置の効率化を目指した世界的な調整にもかかわらず、同社はゲーム事業の確固たるコアコンピタンス(独自の強み)と実行力を武器にグローバル化を加速させ、その成果を享受しつつあるとの見方。積極的な株主還元策にも言及し、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


 世界のゲームビジネスのサイクルが急速に変化し続ける中、同社は研究開発資源の合理的な配分や日常の業務戦略を通じ、持続的な成長を目指したイノベーション、多様化、グローバル化を加速させている。今後はまず3月にシューティングゲーム「Fragpunk」、4月にはサバイバルゲーム「Once human Mobile」を世界にリリース。その後も「World of Warcraft(WoW)コンソール版」「Destiny」「Ananta」を投入する予定となっている。BOCIはチャネルリサーチの結果、2025年のPCゲーム収入に関する強気見通し(前年比38%増収)を据え置き、モバイルゲームに関してはプラス成長を回復するとの見方を維持。海外の人材やスタジオを対象とした再編が打撃となる可能性は低いとした。同社全体の2025年の予想売上高を1%減額修正したが、これはゲーム以外の収入見通しを下方修正したため。粗利益率の引き下げと営業費用に関する想定値の修正を反映し、2025年、2026年の予想純利益を2%、3%減額修正している。


 2024年10-12月期決算を見ると、総売上高は前年同期比1%減の267億元。主力のオンラインゲームの売上高は5%増の205億元。

再提携した米Blizzard社のタイトルや「WJO II」「NARAKA:BLADEPOINT」「Marvel Rivals」などがPCゲーム収入の57%の大幅増をけん引した。粗利益率は主に低利益率タイトルの収益比重の拡大により、60.8%に低下したが、営業利益率は市場予想の27.0%を上回る29.2%に達している。また、同社は期中に3億米ドル超の自社株買いを実施し、年末時点で残る買い戻し枠は31億米ドル相当(2026年1月までの枠)。四半期配当は65%の増配となった。


 BOCIは1ADS(米預託株式)当たり調整後利益に基づく予想PER(株価収益率)13.0倍をベースに、オンライン教育事業の有道とクラウド音楽事業の評価額や手元現金分を一部上乗せした目標株価を維持。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


 レーティング面での潜在リスク要因としては、マクロ経済とオンライン消費の回復力の鈍さ、ゲーム規制の強化、市場競争の激化、投資の失敗、提携関係の悪化、ADR(米預託証券)上場廃止などの可能性を挙げている。


(Bank of China int.)

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