2024年10-12月期の大幅減益もAPソリューション需要は好調持続へ

現地コード 銘柄名 00522

ASMPT


(エーエスエムピーティー)


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64.05HKD
(2/27現在)


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 半導体製造装置大手のASMPTの2024年10-12月期の売上高は、経営陣が事前に示したガイダンスの上限に達した。AP(アドバンストパッケージ)ソリューションの高成長が背景。

ただ、主力2部門、SEMI(半導体ソリューション)とSMT(表面実装技術)の利益率悪化で、純利益は400万HKドル、調整後純利益は7,600万HKドルと、いずれも予想を下回った。BOCIはAI関連需要や性能認証の取得、その他の受注獲得見通しに触れ、構造的なTCB(熱圧着接合)需要と、その他APツール需要の先行きを楽観。従来ビジネスやAI以外のアプリケーション関連が足を引っ張るとしながらも、2025年以降はAPが売り上げ全体の30%超(2023年は22%、2024年は約30%)、純利益の50%超を占めるとみて、現在株価の過小評価を指摘した。2025-26年の利益予想を減額修正し、目標株価を引き下げる半面、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


 10-12月期の利益率と純利益は主力事業の低迷に足を取られる形となった。売上高は前年同期比横ばいの34億HKドルと、ガイダンスのほぼ上限に達したが、粗利益率と営業利益率は37.2%、0.1%と、前四半期比で3.8ポイント、5.2ポイント低下。その結果、純利益は前年同期比94%減、前四半期比では83%減の400万HKドルにとどまった。BOCIは主に、自動車・工業向け需要の低迷、◇消費者エレクトロニクス分野の製品構成の劣化、◇再編コスト9,500万HKドルの計上――が、利益率の低下を招いたとしている。


 続く2025年1-3月期の売上高に関する経営陣のガイダンスは、3億7,000万-4億3,000万米ドル(1米ドル=約7.78HKドル)。自動車や工業用など非AI部門の需要の軟化により、市場予想を10%下回るものの、消費者エレクトロニクス(家電や電子機器)需要の回復やTCB収入の期ずれ計上が一部カバーする見通しという。また、経営陣によれば、出荷額に対する受注額を示す「BB(book-to-bill)レシオ」は過去3四半期にわたって低調に推移した後、1-3月期には節目の「1」を上回る見通しとなった。


 10-12月期にはAPの売上高が2億5,500万米ドルと、BOCIの予想を8%上回った。

同社は2027年までに、うちTCBの世界シェアを35-40%に引き上げる目標を掲げており、2025年末までには生産能力を倍増させる計画。BOCIは中国の新規需要を含む世界的なAI需要の拡大を受け、同社のTCBおよびその他APツールの受注が市場予想を上回るペースで拡大するとみている。


 BOCIは予想売上高をほぼ据え置く半面、非AI分野の成長鈍化を見込み、SMTの予想売上高を減額。また、主力のパッケージングビジネスの競争激化を考慮し、SEMI、SMT両部門の利益率を引き下げ、2025-26年の予想純利益を28%、16%減額修正した。一方、レーティング面の潜在リスク要因として、生成AI需要の減速、マクロ経済の軟化や地政学的リスク、自動車・産業用半導体需要の低調、設備投資の減速などを挙げている。


(Bank of China int.)

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