「旅×お金の知恵」をテーマに、ファイナンシャル・プランナーの風呂内亜矢がつづる旅エッセイ。世界一周旅行の最初の目的地は、パリ。
新緑のパリで、芸術に溺れる日々の始まり
石造りの白い壁にレリーフが施されたオスマニアン様式の建物、宮殿を思わせるような美術館、外から見てもそのステンドグラスの美しさを想像させる教会など「街全体が美術館」という言葉がぴったりな花の都・パリ。
そういえば、旅先で景色や日常生活を目新しく新鮮に感じる現象に「異邦人の目」という言葉があるそうです。正確には、当たり前を疑う視点や、他の文化圏の人間が客観視することなどを指す言葉なのかもしれませんが、何を見ても美しく映える景色がキラキラと瞳に飛び込んできます。これって、現地に暮らす人にとっても同じように見えているものなのでしょうか。新緑がまぶしい5月中旬という最高の季節だったことも手伝って、旅の最初からクライマックスのような気分です。
2020年当初の計画とは状況が変わり、美術大学に入学して3年目となる夫と旅立った世界一周航空券を使った旅行は「とにかくたくさん芸術に触れる旅にしよう」と、修学旅行の様相すら呈していました。
パスポートの活用で、実用性と満足度を最大化
存分に鑑賞体験を重ねるために私がリサーチしてたどり着いたのは、「ミュージアムパス」と「年間パスポート」を活用する方法。ミュージアムパスはパリに行く多くの人が検討する、パリ市内や郊外の50以上の美術館、博物館に無料や割引価格で入場することができるお得なチケットです。短時間で複数の施設を巡りたい人に向いていて、東京でいうと「東京・ミュージアム ぐるっとパス」が似た立ち位置といえるかもしれません。
「年間パスポート」は特定の施設に繰り返し入場しやすくなるものが多いですが、私たちはルーヴル美術館・ドラクロワ美術館に入り放題になる「ルーヴル友の会(Amis du Louvre)」と、オルセー美術館・オランジュリー美術館に入り放題になる「オルセー美術館年間パスポート(Carte Blanche)」を利用することにしました。
元々は「ルーヴル美術館の場合、4回入場すればモトがとれる!」などと考えていましたが、このチケットの強みはそうではないとすぐに気がつきました。大行列を横目に優先的に入場でき、待ち疲れなど起こすこともなく、すぐさま鑑賞に没頭できました。場合によっては、トイレを借りるためだけに年パスを使ってサクッと入場する、なんてこともあり、もはや無双状態。
おかげで私たちは滞在中の3週間でルーヴル美術館をコンプリート! その時公開されていた全てのお部屋を鑑賞することができました。紙のリーフレットと館内の地図では細かさが違ったり、そもそもあまりの広さに圧倒されて迷い、なんなら途中夫婦けんかになったりもしましたが、なんとか回れてよかったです。
他の美術館や散策のついでにルーヴル美術館にちょこちょこ立ち寄る体験は、まるであの宮殿のような美術館が自分の家かと錯覚するようなぜいたくな時間でした。
消費パターンを知り、旅の質をさらに高める
今回の私たちのような「ルーヴル美術館コンプリート」を目指さない場合でも、時間を効率的に使いたい、小分けに何度か観に行きたいという方には、滞在日数が短めでも十分に検討しがいのあるパスポートだと感じます。ルーヴル美術館の年間パスポートは、インターネット上で手続きをして、日本の自宅に郵送してもらうことができました。
印象派の作品をたくさん鑑賞できるオルセー美術館の年間パスポートは、ルーヴル美術館の年間パスポートを持っていると割引が受けられることや、当時は窓口での購入が必要だったことから現地で購入しました。こちらのパスポートは、通常の開場時間より30分早く入場できる特典が強烈でした。普段であれば記念撮影の待ち行列が伸びる大時計にもいち早くたどり着くことができ、ゆっくり眺めたり写真を撮ったりすることができました。
大時計のガラスの円盤の先に見えるセーヌ川とパリの街並み、木漏れ日の中で談笑する人々が描かれたルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」、淡く優しい色調のモネの「日傘をさす女」、キラキラとした星空が輝くゴッホの「ローヌ川の星月夜」、知っている・印刷物などで見たことがある作品も景色も独り占めです。
その他、多くの美術館が無料になる第1日曜日なども活用して、たくさんの美術館を訪問しました。いずれも素晴らしかったのですが、ドラクロワ美術館やギュスターヴ・モロー美術館などの「邸宅美術館」と呼ばれるジャンルに強く興味がわきました。本人が実際に住んでいたり、ゆかりのある人物が準備したりしている邸宅美術館は、現地でみることで「ここで創作活動していたのか」とか「え? これ実際に使っていたパレット? 絵の具の並び順って本当にこうだったの?」などと想像させてくれる楽しさがありました。
ちなみにわが家は東京だと東京都写真美術館の年間パスポート(TOPMUSEUM PASSPORT)を毎年購入しています。
※本文中の価格は特筆がなければ2023年5~6月当時のもの。
今回のTIPS
- ルーヴル友の会(Amis du Louvre)などの年間パスポートを活用
※2026年8月時点では年会費95ユーロ(通常入場料32ユーロ) - 消費パターンが分かるとお得なチケットも選びやすく
関連動画
- YouTubeチャンネル「 FUROUCHI vlog 」
- パリの移動はNavigo Easy!ルーヴル・オルセーは年パス利用で待ち時間なし!
- パリミュージアムパスはこう使った!4日券なのに5日目も使えた!
- 【再生リスト】世界一周航空券関連 (2023年5-7月)
(風呂内 亜矢)

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