ANAのコーポレートカラーといえば青色ですが、同社の特別塗装機のなかには、ある意味で“らしくない”ような青いラインが入っていないものも存在します。青以外のベースカラーが施された同社の特別塗装機を5つ、ピックアップしました。
ANA(全日空)のコーポレートカラーといえば「青」です。同グループで運航されている機体のデザインにも、濃い青「トリトンブルー」と薄い青「モヒカンブルー」が、機体各所にあしらわれています。
ただ、同社で限定運航される特別塗装機の歴史において、ある意味ANAらしくないような、「青色以外のカラー」をベースにしたものもあります。どういったものがあるのか、代表的なものを集めてみました。
ANA「C-3PO」ジェット。胴体がゴールドになっている(乗りものニュース編集部撮影)。
胴体全体が黄色に塗られ、アニメやゲームでお馴染み『ポケットモンスター』の「ピカチュウ」「ピチュー」などが描かれた、「ジャンボジェット」ことボーイング747-400D型機。「ピカチュウジャンボ」と名付けられたこの機体は、2005(平成17)年から2013(平成25)年まで運航されました。
ANAでは、ほかにもいくつか「ポケモンジェット」シリーズを運航しましたが、他機のベースデザインは青や白系統でまとめられているなか、黄色のものは、この1機だけとなっています。
大小さまざまな「金色ANA機」…導入背景は?「ピカチュウジャンボ」のあと、2021年現在においてもANAにはキャラクターとコラボレーションした黄色系の飛行機が存在します。それが映画『スターウォーズ』とタイアップで運航されている、「C-3PO ジェット」です。
この機体は、国内線用ボーイング777型機に、同映画のキャラクター「C-3PO」をモチーフにしたデザインを施し、2017(平成29)年から運航されています。
ANA「ゴールドジェット」(柘植優介撮影)。
通常のANA塗装と同じように、垂直尾翼から胴体にかけ2色のラインがかかっていながらも、その色使いが「青」ではないものも存在します。
同社は2005(平成17)年に、ボーイング737-700型機を導入しましたが、その際にこのモデルの初号機と2号機には、通称「ゴールドジェット」と呼ばれる、金色の特別塗装を施しました。一説によると、この塗装は、中部地域の新たな玄関口として誕生した中部国際空港の開港が同じ年だったことから、それに合わせて名古屋城の金のシャチホコをイメージしてこの色にしたとも言われています。なお、1号機はその後、北海道を拠点とするAIRDOに移籍し、2019年に退役しています。
まだあった色違いANA機! 将来的にはオレンジのANA機も通常塗装と同じデザインではあるものの、「ゴールドジェット」と同じように”色違い”となった機体は、ほかにもあります。
2010(平成22)年、同グループに「緑のANA機」が出現しました。この塗装が施されたのは、ターボプロップ機であるボンバルディアDHC8-Q400型機で、「エコボン」という名前がつけられました。
名称に入る「エコ」のとおり、この塗装は、同グループの環境への取り組みを示すものとして行われたものです。ちなみに、「ボン」はボンバルディアではなく、フランス語で「よい旅を」を表す「ボンボヤージュ(Bon Voyage)」から来ているとのこと。
ANAの「エコボン」特別塗装機(画像:ANA)。
なお、近い将来「青くないANA機」が1機、日本にやってくる予定です。
それが、ANAが導入を進めている総2階建てのエアバスA380型機のうちの1機、「フライングホヌ」の3号機です。同機は、胴体がオレンジの特別塗装です。
同社のA380型機は、導入済みの2機含め、すべて特別塗装となっており、それぞれ違ったカラーの「ウミガメ(ホヌ)」が描かれています。ただ1号機、2号機ともに青系統であるのに対し、3号機は「ハワイの夕日」をイメージしたことから、オレンジ色に。2021年2月の現時点では、新型コロナウイルス感染拡大の影響により日本に姿を見せていないものの、塗装などは2020年初頭に完了しています。