東京都が運営する都営バスの停留所が、なぜか東京都外に2か所あります。どういった事情なのでしょうか。

なぜ? 都外に「都営バス」

 東京都が運営する都営バスですが、実は2か所だけ、都外にバス停があります。23区内だと、北は埼玉県境に近い赤羽駅や足立清掃工場、東は千葉県境に近い葛西臨海公園駅や篠崎駅などまで乗り入れていますが、都外のバス停はどこなのでしょうか。

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東京都北区内を走る都営バス(乗りものニュース編集部撮影)。

 都外のバス停は、2か所とも埼玉県飯能市にあります。隣り合う「下畑」バス停と、「上畑」バス停です。

 都営バスは23区内だけでなく、青梅市を中心に多摩地区にも路線網があります。

そのうち、青梅市街地と、同市北部の成木地区を結ぶ成木循環線(梅74系統)のルートが、1.5kmほど埼玉県内を通っており、その区間にあるのが下畑と上畑のバス停です。

 なお、この区間には飯能駅方面から国際興業バスも乗り入れており、下畑、上畑とも都営のバス停とは別に、国際興業のバス停も立っています。埼玉側にバス停があるのは、バスが通る都県道のルートに沿っているだけで、「わざわざ埼玉へ」入っているわけではありません。

 山間をいく成木循環線は、成木川の恒例行事「ほたるを見る夕べ」開催時、臨時バスの行先表示に特別な「蛍のイラスト」が現れることでファンに知られます。このほか、停留所名にのみ名残を残す「東京炭坑」跡を通過するほか、都内唯一の温泉郷とされる「岩蔵温泉」がその近くにあります。

 ちなみに昭和の時代は「都外を走る都営バス」が各地にありました。

民間事業者との共同運行という形で、東京都心部から千葉県市川市神奈川県川崎市埼玉県川口市などへ都営バスが乗り入れていたのです。