煙突がない! 世界初の電気推進タンカー「あさひ」進水 動力源はリチウムイオン電池
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環境負荷の低減だけでなく乗組員の労働環境改善にも。

災害発生時には船内バッテリーの電気を活用することも可

 興亜産業株式会社(香川県丸亀市)は2021年12月22日(水)、世界初となるピュアバッテリー電気推進タンカーの命名・進水式を行ったと発表しました。

「あさひ」と名付けられたこの船は、旭タンカー株式会社(東京都千代田区)が発注した内航船で、e5ラボ(東京都千代田区)が企画した大容量リチウムイオン電池を動力源とする100%電気推進のため、排出されるCO2、NOx、SOx、煤煙などのゼロエミッション化を達成し、環境負荷を低減するとともに、騒音や振動を抑えることで乗組員の労働環境と港湾周辺環境に配慮したものになっているそうです。

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世界初となる電気推進タンカー「あさひ」の命名・進水式の様子(画像:興亜産業)。

 寸法は全長62.0m、全幅10.3m、深さ4.7mで、総トン数は499トン。船内には重油を運ぶための容量1280立方メートルのタンクを備えています。搭載するリチウムイオン電池の容量は3480kWhで、推進装置として川崎重工製のバッテリーシステムを備えており、速力は約10ノット(約18.52km/h)を発揮するといいます。

 興亜産業によると、主機を電化することでエンジンメンテナンスの手間も削減しているとのこと。また自然災害発生時に船内の大容量バッテリーに貯めた電気を非常用として陸上で活用することで、地域のBCP(事業継続計画)やLCP(生活継続計画)の貢献に繋がる新たな役割を担うことも可能だとしています。

 本船は、2022年3月下旬に完成し、旭タンカーへ引き渡された後は東京湾において使用される予定で、川崎市や東京電力エナジーパートナー株式会社(東京都中央区)とタッグを組んで、ゼロエミッション電気推進船の普及を通じた新しい海運インフラサービスの構築などを目指す実証実験に用いられる予定です。