飛行機の中で食べる機内食は、旅の大きな楽しみの一つでしょう。しかし、機内で提供されているものと全く同じ料理を、そのまま地上で食べると「味が濃すぎてしょっぱい」と感じることがあるといわれています。
これは料理の味付けが間違っているわけではなく、高度1万mという特殊な環境が、私たちの味覚を一時的に変えてしまっていると考えられています。
その大きな原因の一つが、機内の「低気圧」と「乾燥」です。巡航中の機内気圧は地上よりも低く、一般に標高およそ1800~2440m(約6000~8000フィート)相当に保たれるとされています。
これはちょうど「富士山の5合目付近」と同じくらいの気圧です(気候による変動あり)。研究結果の中では、機内環境で塩味が最大3割程度、甘味が2割程度感じにくくなることがある、という報告も見られます。
さらに、機内の湿度は通常10~20%程度まで下がることがあり、非常に乾燥した環境とされています。鼻の粘膜が乾燥すると、風味に大きく関わる嗅覚が十分に機能しにくくなり、味が「薄い」と感じやすくなるとされています。
このように、舌で感じる味覚の低下と、鼻で感じる香りの低下が組み合わさることで、食べ物の味が普段よりもぼやけてしまう傾向にあるようです。
意外な犯人は「騒音」だった? トマトジュースが機内で人気の科学的理由味覚を狂わせる原因は、空気の状態だけではありません。近年の研究では、機内の「騒音」も影響している可能性が指摘されています。
機内では常に「ゴー」というエンジン音(約80デシベル程度の騒音)が響いています。研究では、こうした機内に近いレベルの背景騒音が甘味の感じ方を弱め、一方で第5の味覚である「うま味」の感じ方を強める可能性が示されています。
空の上でトマトジュースが人気なのは、こうした背景があるという考え方があります。トマトに豊富に含まれる「うま味」成分は、騒音の中でもはっきりと美味しく感じられるため、上空では地上以上に満足感の高い飲み物として選ばれているのではないかと推測されています。
こうした科学的なデータに基づき、航空会社では「あえて地上よりも味を濃くする」という工夫を行っています。
ただし、単純に塩分を増やすだけでは健康面や味のバランスに影響が出かねません。そのため、実際には昆布や鰹などの「うま味(出汁)」を強く効かせたり、乾燥した機内でも香りが立ちやすいスパイスやハーブ、オイルなどを効果的に活用したりすることで、過酷な環境でも美味しく感じられるようレシピが設計されているようです。
機内食の“しっかり味”は、空の上ではちょうどよく、地上では“濃く感じる”。その違いこそが、高度1万mの過酷な環境下で私たちに「美味しい」を届けるための、科学に基づいた工夫の結晶なのです。

![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 昼夜兼用立体 ハーブ&ユーカリの香り 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Q-T7qhTGL._SL500_.jpg)
![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 就寝立体タイプ 無香料 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51pV-1+GeGL._SL500_.jpg)







![NHKラジオ ラジオビジネス英語 2024年 9月号 [雑誌] (NHKテキスト)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Ku32P5LhL._SL500_.jpg)
