東京臨海高速鉄道が経営改革プランを公開。2022年度導入を目指し、新型車両の事業計画を進めることが分かりました。

営業収益や乗車人員は増加傾向

 りんかい線を運営する東京臨海高速鉄道は2018年6月11日(月)、経営改革プランを公開。2022年度の導入に向けて、新型車両の事業に着手することが分かりました。

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りんかい線で使われている70-000形電車(画像:photolibrary)。

 同社は1991(平成3)年に設立。1996(平成8)年には最初の区間である新木場~東京テレポート間がしました。2002(平成14)年にはりんかい線の全線(新木場~大崎)が開業し、JR埼京線との相互直通運転を開始しています。

 車両は開業以来、JR東日本の209系電車をベースにした70-000形電車を使用。このほか過去にはJR埼京線の205系電車が、現在は同路線のE233系7000番台が乗り入れています。

 経営改革プランによると、2010(平成22)年度以降の営業収益や乗車人員は、東日本大震災のあった2011(平成23)年度を除き増加傾向です。1日あたりの平均乗車人員は、2010年度(20万272人)から2016年度(24万8513人)にかけて、24.1%増加しています。

新型車両は乗り心地改善と快適性向上を図る

 東京臨海高速鉄道は、自己分析を踏まえた経営課題の解決のための戦略として「安定的な事業運営の実現に向けた組織・人員体制の構築」「営業収益の確保等による財務体質の健全化」「ハード・ソフト両面からの安全・安定輸送の確保」「利用客の利便性・快適性の更なる向上に繋がる取組の加速化」を挙げています。

 このうち「利用客の利便性・快適性の更なる向上に繋がる取組の加速化」では、今後さらなる乗車人員の増加や利用客の多様化が見込まれることなどから、3年後の到達目標として「お客様の利便性・快適性の更なる向上を図り、顧客満足度の数値の向上を目指す」としています。

 これに関する取り組みのひとつとして「快適な空間の整備」を設定。駅トイレのリニューアルなどとともに、乗り心地の改善と快適性の向上を図った新型車両の導入計画を推進します。2018年度は新型車両の導入に向けた事業計画を策定。2019年度は仕様検討や設備関係の設計に着手し、2020年度も設備関係の設計を継続します。2022年度の車両導入を目指し、取り組みを計画的に進めるとしています。

 なお同社はこのほかにも今後、長期未払金・長期借入金の返済の継続、関連事業の拡充、駅ホームドアの整備、駅施設のバリアフリー化、駅案内サインの見直しなどを推進していく方針です。