ANAが新たに空港ラウンジや機内で提供するワインの銘柄を披露。約2000銘柄から選ばれた62種です。

機内ワインは誰でも飲みやすいのが定石に思えますが、酸味や渋みが強めのものもあり、理由も四季のある日本的なものでした。

日本やオーストラリア産ワインもラインナップ

 ANA(全日空)が2019年11月18日(火)、空港ラウンジや機内で12月から提供を予定しているワインを発表しました。選ばれたワインは62種類。世界15か国、約2000銘柄から書類とブラインドテイスティングを勝ち抜いたものです。

 ヨーロッパを中心に、世界各国のワインを取り入れたということで、バラエティ豊かです。ラウンジ・機内ともに有名銘柄を取り揃え、さわやかな白ワインやフルボディの赤ワイン、デザートやチーズに合うポートワインなど、さまざまな飲み口のワインを取りそろえたといいます。

ANA、機内とラウンジで提供の新ワイン披露 一転「通好み」な...の画像はこちら >>

新たに選定された機内・ラウンジ提供ワインを持つANAのスタッフ(2019年11月18日、乗りものニュース編集部撮影)。

 国際線のファーストクラスでは、肉料理との相性がよく、香り高い後味が特徴の「シャトー・コス・デストゥルネル」や、長野の千曲川流域で収穫されたメルロー(ブドウの品種)を原料に作ったという「ソラリス 信州千曲川産メルロー2016」などを採用。

 ビジネスクラスでは、9月にANAが開設した成田~パース(オーストラリア)線にちなんで、パース近郊のワイナリーで醸造された、シャープな酸味と、レモンやパッションフルーツのさわやかな酸味が特徴という白ワイン「スカットルバット ソーヴィニヨンブラン セミヨン」などを採用します。

 ANAはこれまで、年間を通して評価の高いワインを採用してきた一方、2019年は酸味や渋みが強めの“通好み”ともいえる銘柄も選んでいるといいます。

「通好み」の銘柄も投入 その理由とは

 ANAによると、利用者からは「もっといろいろなワインを飲んでみたい」との要望が多かったとのこと。このため、機内食のメニューを更新する3か月のスパンでワインを調達することで、利用者の要望に応える方針に転換したといいます。

 また、選定に携わったコンラッド東京エグゼクティヴ・ソムリエの森 覚さんは、発表されたラインナップは「主力をおさえながら“季節”を感じられるよう、幅広さを増した」ものと話します。

ANA、機内とラウンジで提供の新ワイン披露 一転「通好み」な銘柄も採用のワケ

ANAのファーストクラスで提供される予定のワイン(2019年11月18日、乗りものニュース編集部撮影)。

「季節ごとにワインの銘柄を変えることで、一年間出し続けられる生産量をもっていない小さなワイナリーのワインも出すことができます。また、夏にさわやかなもの、冬には重厚感を感じられるようにしました。この季節ごとにワインを変えられることが、ANAの大きな強みになると思います」(コンラッド東京 エグゼクティヴ・ソムリエ 森 覚さん)

 これらのワインは、2019年12月から提供開始です(一部ワインは提供を前倒しで開始。時期や路線によって提供されない銘柄もあり)。

またこのほか11月21日(木)に解禁予定の「ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーボー」シリーズの提供も、ANA国際線のファーストクラスとビジネスクラス、成田空港と羽田空港の「ANAスイートラウンジ」「ANAラウンジ」で始まります。