羽沢横浜国大駅の運賃案内図を見ると、隣駅である武蔵小杉駅まで310円とあります。しかし、2回乗り換えが必要な鶴見駅へは170円です。なぜ遠いはずの駅が隣駅より安いのでしょうか。これは、案内図と実際の走行ルートが違うためです。
実は鶴見駅を通っている2019年11月30日(土)、相鉄線とJR線の相互直通運転が開始。相鉄線の西谷駅(横浜市保土ケ谷区)とJR線の武蔵小杉駅(川崎市中原区)のあいだに「新ルート」が設けられ、おもに相鉄線からJR新宿方面に直通する列車が走ります。

試運転でJR新宿駅へ乗り入れた、相鉄12000系電車(2019年9月、草町義和撮影)。
この「新ルート」の途中に、羽沢横浜国大駅(横浜市神奈川区)が新設されました。同駅に設置された運賃案内図を見ると、「隣」の武蔵小杉駅までの運賃(大人、紙のきっぷの場合)は310円です。ところが、「新ルート」から外れていて、武蔵小杉駅や横浜駅で乗り換えないとたどり着けない鶴見駅(横浜市鶴見区)は170円。武蔵小杉駅より安いのです。
「新ルート」は西谷~羽沢横浜国大間に「相鉄・JR直通線」という相鉄の新線が整備されましたが、羽沢横浜国大~武蔵小杉間は、昔からあった鶴見駅経由のJR貨物線に乗り入れます。つまり、相鉄線方面からやってきた新宿行きの直通列車は、鶴見駅を通ってから武蔵小杉駅に停車することになります。羽沢横浜国大駅からの距離は、鶴見駅が8.8kmなのに対し、武蔵小杉駅は16.6km。実際は鶴見駅のほうが近いため、運賃も同駅のほうが安くなるのです。