文化庁は4月27日、活動実態のない「不活動宗教法人」などが脱税やマネーロンダリング(資金洗浄)などに利用されるのを防ぐため、対策検討会議を開催した。
今後、実態を把握するため初めての調査を実施し、年内にもガイドラインを策定する。
文化庁によると、全国の宗教法人は2024年12月時点で約18万法人。このうち、5,019法人は活動実態がなく、「不活動宗教法人」に該当するという。同庁は2025年7月、2024年「不活動宗教法人の状況等に関する調査」を公表。今回の不活動宗教法人の検討数字は、その公表数字を基にしている。
なお、東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースと法人番号などで把握された宗教法人数は17万7,939法人に及ぶ。
宗教法人法では、宗教活動以外を目的とする利用は想定されていない。本来の目的から逸脱した宗教法人の売買などで法人格の不正取得は問題との見方もある。だが、信教の自由の保障や政教分離原則など所轄庁の権限を最小限のものに限定し、宗教的事項への関与も禁止されており、対応は簡単ではない。
文化庁などは不活動宗教法人対策を急ぐが、法人数が膨大で対応には時間を要しそうだ。
文化庁の「宗教統計調査」では、宗教法人数は2014年の18万1,810法人から緩やかに減少し、2023年は17万8,921法人だった。
同調査によると、信者数は2014年に1億9,021万人。複数の宗教や名前だけの重複も多いようで、2023年は1億7,223万人と減少したが、日本の全人口を上回っている。
18万法人の主たる事務所は愛知県がトップ
TSRのデータベースなどに登録されている17万7,939法人の主たる事務所(本店)を都道府県別でみると、法人数の最多は愛知県の8,869法人で、全体の4.9%を占める。次いで、兵庫県8,647法人、新潟県7,748法人、千葉県6,617法人、福岡県6,615法人が続く。
一方、最も宗教法人数が少なかったのは沖縄県で、220法人だった。
後継者がなく放置された宗教法人を第三者が不正な手法で取得したり、M&Aで買収し、脱税などに悪用するケースもある。
文化庁は、M&A業界や税理士会などに対し、宗教法人の売買に類似した違法取引の助長防止を呼びかけ、宗教法人へのアンケート実施など、対策を強化する。マネロン・テロ資金供与への対策(FATF)の相互審査等でも2024年10月、宗教法人のモニタリング方法が指摘され、対策は待ったなしの状況だ。
(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2026年5月20日号掲載「WeeklyTopics」を再編集)

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