ウキ回収パラソルを使ったのに回収できずになくしてしまったウキ、ありませんか?今回はそんな「ウキ回収パラソル」をちょっとカスタムしてより使いや数する方法を紹介します。目指せ回収率100%!
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター濱堀秀規)
ウキ流失事故
チヌ釣りでは底を狙うことが多いので、根掛かりでラインブレイクしたり、海藻に潜んでいるチヌがハリ掛かりと同時にワカメの下に潜り込んでラインブレイク、ついでにウキもさよならというのは、よくあること。
底やシモリの際、海藻の周りを狙ううえ、積極的に攻めている釣り師ほどミチイトも細く、ラインブレイクでウキがさよならしてしまうことも多いと思う。

ウキ回収器とは
ウキ回収器は、ラインブレイクなどでウキが切れてしまった際に、仕掛けのかわりにラインの先に付けて、ウキを回収するのに使う道具である。このウキ回収器で千円のウキを1個回収すると、千円。2個回収すると2千円の儲けである。
ウキがグッバイしてしまっても平気な人も多いが、最近は高価なウキも多く、1個で渡船代金くらいするウキもある。回収できるのなら、当然その方がいいだろう。しかも、このウキ回収器はウキを1~2個回収すると元が取れる。ウキ回収以外も使えるので、後で説明するカスタムをしたとしても十分元が取れるほどである。
昔、ウキ回収器を持っていないときに、長崎県五島列島の遠征釣りで、1日で7個もウキを流してしまったこともあった。ウキ回収器を持っていれば、大きな損がなくなると考えて、それ以後は常に携帯している。
市販品の欠点
市販品をそのまま使っても、もちろん問題はない。ところが、市販品には欠点もある。それは次の通り。
1.飛距離が短い
ウキ回収器をミチイトの先にくくるのだが、切れたミチイトの先を手元に持ってくるときに、サオのガイドまでも抜けてしまい、準備段階で時間がかかってしまうことがある。潮の流れ方にもよるが、グレ釣りなどいい流れの潮の時には、準備を整えた時にははるかかなたに流れていて、飛距離が足りないことがある。
2.ミチイトを通す穴が小さい
また、ミチイトを通す穴が小さく老眼だと見にくい。もたもたしている間に届かない距離に流されてしまうこともある。
3.傘が開き過ぎる
市販品の種類によっては、海面に着水したときに傘が開きすぎて、ウキが抜けてしまうモノもある。
ウキ回収器のカスタム
3に関しては、今回のカスタムでは改善できない。自分が使うウキの大きさなどを考えながら、選ぶのがいいだろう。
今回紹介するのは、1と2を改善する市販品のカスタム方法だ。カスタムに必要な特別な材料はなく、すべて釣具店で準備できる。加工に必要な工具も特にない。誰でもできるのである。
カスタムに必要な材料と、それぞれの使い方を紹介しよう。

1.ウキ回収器本体
オレンジ色を長く使っていたが、最近は白色も市販されており、天候によって白色の方が見やすい時もある。ウキの場合に、晴天では、オレンジが見やすかったり、曇りなどの天候では、黄色が見やすかったりするのと同じである。こだわらなければ、どちらでもいいと思うが、自分が見やすい方を常に携帯するといいだろう。
2.スーパーボール
今でも、磯から超遠投でイサキを狙うときは、ウキのかわりに使っている、ビンビンボールである。スーパーボールとも呼ばれており、コンクリートの上で弾くと、すごい反動で舞い上がるあの、ゴムみたいなボールのことである。
釣具店で市販されているモノは、中心に穴が開いており、ウキ回収器の中心から伸びている棒に、丁度差し込むことができる穴の大きさになっている。買ってきて差し込むだけだ。色も、昔はオレンジ色だったのだが、今は、白が見やすいとのことで、聡明に近い白色のビンビンボールも販売されている。
なぜ、このビンビンボールを使うのかというと、自重を増すことによって、飛距離が伸びるからである。重くなると風に負けないで、遠くまでまっすぐ飛ばすことができる。それからこれ自体の浮力はウキとほぼ同じなので、ほとんど沈んで少しだけ浮くから、浮力の面からも丁度いいのである。
3.大きめのスナップサルカン
イトを通しやすいように、穴の大きめのスナップサルカン。回収器のイトを通す穴は小さくて見にくい。そこで、イトを通すところを、大きな穴にかえるための道具である。
もしくは、「速パラ」という商品名で販売されている道具を、回収器の穴にセットしておくことである。
4.小型収納用バッカン
そのほかあれば便利なのが、シャクたてかなにかにするための筒状の小型バッカンだ。収納容器があれば、傘が開かず、折れたりすることがなくて、決まった場所に置いておくことができる。

携帯場所
道具が準備できたからといっても、安心はできない。まずは保管場用が大事である。「えーと、確か、ウキ回収器を持っているんだけど、どこにやったかなあ」と道具箱や、クーラーの中をごそごそと探している間に、回収できないところに流れて行ってしまう失態をなくすことが大事である。
言うまでもなく、ウキが切れたときに素早く取り出せる場所を選ぶことである。友人は、餌バッカンサイドポケットに差し込んでいる。私は、竿袋の水に濡れていい方のサイドポケットに収納している。4っ折り玉網や、えさまぜ用道具や、アイゴばさみや、予備のナイフと一緒にサオケースのサイドの部屋に保管している。

使用時の注意点
そして、使うにあたって重要なのが、準備するタイミングだ。イトが切れてしまった場合は仕方がないが、地球を釣ってしまったりして、このまま引っ張ったら切れそうだと思うときは、切れるより先に手元に道具を準備するといい。
準備できてから、ミチイトを引っ張ってプチンと切ると、すぐにウキ回収パラソルをくくりつけて回収作業に移行することができる。
なお、浮かんだウキの前で投入したパラソルの速度を緩めたり止めたりすると、ウキがうまく収まらないことがあるから注意が必要。また、ウキがパラソルに収まったからといって、急に速度を速めると、水の抵抗でパラソルが大きく開いてその間から、抜けてしまうので、同じ速度で巻いてくることにも注意してほしい。
ウキ以外も回収可能
しかし、この道具で回収できるのは、ウキだけではない。まきえさシャク回収器や竿回収器や、バッカン回収器にもなる。
過去には、改良型遠投用ロングのまきエシャクをエサよりも遠くに飛ばしてしまったことがある。「そうだ、試してみよう」とウキ回収パラソルを投げてみると、パラソルに引っ掛かって回収できた。
この経験が活きて、その後に折れて流れたサオ先も回収できた。時間がかかったが、バッカンが流された時にも、重いので波の動きに合わせて少しずつゆっくり時間をかけてだが、回収したこともある。本当に、優れものの、道具だと思う。
皆さんも、ウキ回収パラソルを、忍ばせて、磯釣りに出かけてみては、いかがでしょうか。1回でも役に立つと、あー準備してよかったと思うはず。
<濱堀秀規/TSURINEWSライター>
The post 『ウキ回収パラソル』をちょいカスタムする方法 目指せ回収率100% first appeared on TSURINEWS.