冬のビッグゲームとして定着したビンチョウマグロ。もちろん旬のこの時期はスーパーでも手に入る。

今回はおいしいビンチョウの見分け方を、奈良県中央卸売市場の丸中水産株式会社勤務の著者が紹介。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

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ビンチョウの季節

冬から春先にかけ紀伊半島沖で釣れるのがビンチョウ。ビンナガ、トンボと呼ばれるよう、胸鰭がトンボの羽のように大きいマグロで、紀伊半島の場合、釣期は12月上旬~翌4月上旬と長く、最盛期は2~3月。

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最盛期は2~3月(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

もともと南下してくるサンマに付いてきた(紀伊半島のサンマもう何十年も見ていない)。今はサンマを食べているビンナガはもういないものの、同じ時期に和歌山沖に回遊する。1、2月にはカツオが、3、4月にはキハダが交じる。

漁獲方法

漁獲は1本釣り、まき網、延縄などあるが、1本釣りは良型ビンチョウの群れの場合2本で釣る(2人)場合も多い。

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カツオが交じる(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

ビンチョウの産地

関西のスーパーでは1月くらいから生ビンチョウが並びだす。少し水っぽく赤身でないその身はサクどりしてあったり、切られていたりしてまさにお刺し身用として売られている。

原産地は和歌山の勝浦がほとんどで、ロイン(4つ割り)のスキンレスで入荷するものが多い。おさしみ用として売られているのだが、あっさりしている身にはオリーブオイル、マヨネーズ、バジル類から醤油など、色々な薬味がぴったり。

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3月初旬の勝浦漁港(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

ビンチョウの目利き

サバ科マグロ属には8種が知られていて、このうち春にはビンチョウ、夏にはキハダ、秋にはメバチやコシナガ、冬にクロマグロと旬があるので(冷凍や養殖マグロは別)、参考に買い物したい。価格別ではビンチョウが一番安い。次にコシナガ、キハダと続く。缶詰もビンチョウが多い。

生ビンチョウはだいたい1mクラスのマグロで、小型の部類になる。どんな身を購入するかを見るのには、透明感を確認するのが一番。4月終わりくらいになると漁場が遠くになるからかこの透明感がなくなり、時折匂いがするものが混じる。

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身の透明感をチェック(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

ちなみに、昔の小売り店、卸売はマグロ専門店がかなりあった。これは切り方次第でかなり儲かるからで、逆に血合い処理やサクどりを失敗すればかなり損になることも。また冷凍品も電動のこぎり、解凍処理も塩水を使うなどなかなかの処理技術が必要である。

釣り物として

釣りはトンジギ、キャスティング、トローリングで狙う。トンジギはトンボのジギングで、船をドテラで流しながらのジギングで、早く流れれば3ktくらいで流れるので、大きく分けるとトローリングとどう違う?と思うことも。ラインの角度、長さから釣っているタナを探るので500gくらいのジグを使う。まずジグを見せて、寄せて、追わせて、食わせるのが筋なので電動リールを使うのでもいい。

キャスティングはジギングより強めのタックルを使う。この記事が公開されるころにはキハダのほうが多くなっているかもしれない。

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3~4月にはキハダが(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)


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<有吉紀朗/TSURINEWSライター>

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