夏の風物詩のひとつ、茨城の夜イカ。日中の暑さを忘れて涼しい暗闇のなか、竿を出すのは独特の釣趣があり、足繁く通うファンも多い。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 編集部)
近況
例年6月ごろから開始。今季は6月末から鹿島や鹿島新港、那珂湊の各宿が受け付け。当初はムギ・スルメ狙いで、8月になるとムラサキイカも狙うパターンだ。
タックル
夜イカの基本的なタックルを紹介しよう。

サオ
竿はスルメ主体ならば1.6~2.4mで、7対3の先調子から6対4の胴調子。手返しを考えると前者がいい。
リール&ライン
タナが浅いので、リールは中型両軸か小型電動でOK。PEライン3~4号を200m巻いておく。
仕掛け
仕掛けは11~14cmプラヅノ、または5~7cm(3~4号)ウキスッテを用いたブランコ式が一般的。カラーは下から淡、濃、淡、濃と交互に配色するのが基本だ。コマセヅノ(捨てヅノ)と呼ばれる乗りの悪い色を交ぜて、仕掛け全体の配色にメリハリを出すといい。ミキイトは、フロロの4~5号、良型が多い時は6号を使う。枝スは3~4号8~15cm。
ミチイトと仕掛けの間には、必ず白色や緑色の点滅式の水中ライトを付けるようにしたい。オモリは60~80号前後(船宿で指定あり)。
接続は直結でも構わないが、ビーズなどを介すとヨレや絡みが少なくなる。スッテを使う場合は長さ1~2cmの直ブラ式や、慣れてきたら直結仕掛けでもいいだろう。
指示ダナは遵守
完全に日が沈んでからが本番。ポイントが決まると、船長がパラシュートアンカーを入れて潮に乗せる流し釣りで狙う。
「○~○m」とタナの指示があるので、その下限まで仕掛けを落とす。夜イカ釣りは、いわば船中共同作業。指示ダナから下には仕掛けを落とさないようにし、全員で協力してイカの群れを少しずつ上に誘い上げ、船下の浅いタナまで寄せる。

海面下10mくらいまで1m刻みに探っていくと、体力的にも無理がなく効率的。竿先を海面まで下げ、そこから目線辺りまでゆっくり聞き上げて止める。イカが乗ったらそこが当たりダナ。その水深を覚えておき、次投からはその付近で集中的に誘いをかける。
シャクリを工夫し釣果を伸ばそう
シャクリ方は日中の釣りと変わらないが、水深が浅いぶん、ソフトに行う。とくにスッテを長めの枝スで使う場合は、スッテ自体の浮力を利用して誘い、ポーズを長めに取るといい。1mほど誘ったら数秒止め、水中を漂うスッテにイカが乗る間を与えよう。また、当たりダナを見つけたら、数m手前から少しずつサミングして落とし込む誘いも有効だ。
乗りがいいときは、直ブラや直結仕掛けで狙っても面白い。手釣りと同じ要領で、間を与えずに上へ上へとスピーディーに誘っていく。
プラヅノの場合は、1m刻みに段をつけてリズムよくシャクっていく。落とし込みも同様に段をつけると効果的だ。ちなみに、プラヅノは新しいほど乗りがいいので、自分だけ乗りがなくなったら交換してみよう。

多点掛けを狙うなら、シャクリのスピードを落として竿いっぱいに聞き上げる、または数mゆっくり巻いて追い乗りさせる。群れの活性が高ければ水面近くで乗ってくることもあるので、時合いを逃さないように手返しよく取り込もう。
イカが水面に見えたら竿をキーパーに掛け、竿を立てたらツノをつかんでイカを足元のタルのなかに振り落とす。
慣れないうちは手前マツリを起こしやすいので、ツノ数を減らすなどして手返しを少しでも早めたほうがいいだろう。
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<週刊つりニュース関東版 編集部/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース関東版』2022年7月15日号に掲載された記事を再編集したものになります。The post 【2022年】茨城沖の夜イカ釣り入門 タックル・指示ダナ・シャクリ方 first appeared on TSURINEWS.