神奈川県・箱根を流れる早川は、豊富なミネラルを相模湾に運んできます。相模湾は、この早川から流れ込むミネラルでプランクトンが湧き、港すぐのポイントでも30cmオーバーのアジが釣れます。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荒木清)
仕立て専門・海真丸
小田原には幾つもの遊漁船がありますが、その中でも海真丸さんは仕立て専門の船で、隣の人に気を使わずできるため、仲間と和気あいあいと楽しめる船です。船も大きいため、ゆったり出来ます。船長や奥さんも人がよく、1日中ストレスなく釣りが楽しめます。
相模湾の様子
釣行当日は、朝のうち風がなく穏やかな感じでしたが、潮がまったく流れず、それに加えておとといまでの雨で濁りまである状態です。
天気晴れ、西→南に風が強くなる予報なので、この日は時間とwindyを見ながらの、むずかしい釣りとなりそうです。
前半のイカと根魚狙いは撃沈、心配はしていた予想が的中です。
しかし、後半のコマセ五目でドラマが起こったんです。

ティップラン&根魚タックル
海真丸さんの根魚釣りは水深が浅いため、40~60号程度(潮流れしだい)のオモリで十分に釣りができます。
この時期のアオリイカも同じ様なポイントなので、重くても40gあれば釣りが成り立つと思います。

根魚&アオリイカ狙い
午前6時に釣り開始です。まずは港よりわずか5分の、テトラポット沖近辺お流します。
状態は最悪…潮が動いていないのに加えて、風もなく、濁りがあります。エギをアンダーキャストで遠くに飛ばしてやりますが、すぐに戻ってきてしまう感じです。
エギのウェイトを調整
考えた末、エギを軽くします。30g→20gにチェンジ、さっきよりは沈みが遅く、エギが戻ってくる時間も多少伸びましたが、これではまだ駄目です。
ティップランは横の釣りなので、エギが泳いでくれないとダメで、まだ軽くします。20g→15gです。
普通のエギングで狙いますが、今度は風が出はじめます。15gだと底どり出来ない状態になったので、元の30gにチェンジ。今度はいい感じに流れてくれていますが、船が安定せず左右に振られてやりづらい状態です。

タイラバでカサゴをゲット
当日の初ヒットは、Mくんです。テトラポット周りから移動して堤防の沖、水深は20mあたりの根回りでヒット、100gタイラバでカサゴをゲット。その後も続くかと思われましたが、これっきりアタリがなかったそうです。
エサ釣りのZさんはエソを釣っていましたが、その後は付けエサのカタクチイワシがそのまま戻ってくるとなげいています(笑)

コマセ五目釣りに転戦
移動、移動を繰り返し、船長も困り顔。水深15m~40mあたりもやりますが、ノーバイトです。ここで粘っても仕方ないと9時30分、コマセ五目に変えてくださいと船長に伝えます。
こんどの場所は、少し移動した水深100m、コマセを入れてアマダイや、アジ、オニカサゴが釣れるとのことなので期待十分です。
ですが、濁りがあるのでアマダイは厳しいかと思いながらも仕掛けを投入。
水深100mで45cmアカムツ
Jさんを見てみると結構な引きです。竿を叩かれ、慎重にやり取りしています。筆者はもしかして…とあの魚が頭をよぎります。すると100mから上がってきたのは、45cmのアカムツ(のどぐろ)。
みんなが一斉に、「デカイッ!」と口を揃えます。Jさんは慌てて、そのまま上げようとしたので、「タモですくわないと!」と叫びます。
アカムツは口の弱い魚です。そのため、あげてくる途中でバレたり、タモ無しで抜こうとすると、重さで口が切れて海に戻ります(笑)。アカムツは水圧に強く、浮き袋がないので、逃がしたら浮かずそのまま海にお帰りになります。あげる際は、タモで横の人にすくってもらうことをオススメします。

オオメハタ(シロムツ)連発
筆者ははじめてオオメハタという名前を聞きましたが、みなさんはご存知でしょうか?オオメハタはシロムツのこと。中深海の釣りをやっていると、外道で釣れる魚ですが、淡白な魚のため、干物や塩焼き、フライにするとおいしいです。

そのオオメハタがここにきて爆釣に。アタリがあって、あげてくるとオオメハタです。
オオメハタ祭りの中、筆者はJさんがアカムツを釣っていたので、仕掛けをチェンジです。フロロカーボンライン4号4m×3本針の吹き流し仕掛けで、付けエサはホタルイカがないので、カサゴ用に持ってきていた、カタクチイワシを丸一本付けます。
たまたま道具箱に入っていたマシュマロボールを付けて投入します。

アカムツが再登場
潮が少し早くなりはじめたので、ハリス分(4m)上げていた棚を少し下げ、アタリを待ちます。棚を4m→2mにすると、モゾモゾと竿先に前あたりがきます。付けエサが大きいため、少し飲ませる感じで待ちます。すると竿先にカタイあたりが出ます。

ゆっくりと竿を持ち上げ、合わせると「ゴンゴンッ」とアカムツらしきアタリです。慎重にやり取りして、上がってきたのは40cmのアカムツ。またしても船内ヒートアップです。
この水深100mで良型アカムツが3匹も!船長も笑顔でびっくりです(笑)。

相模湾では水深200mからアカムツを狙います。この日は、潮の濁りがきついから100mまできたのか…なになのか。いると分かれば、相模湾でアカムツ釣りのライトタックル化も夢ではないです。今後も調査してみたいと思います。
潮が濁りアマダイは不発
みんなが好きな、肝心のアマダイが顔を見せてくれてないです。やっぱり底潮も、濁っているのかもしれないです。
底付近で付けエサはオキアミ、潮が早いので、棚は仕掛けを1~2mを浮かせる感じでやります。一応、ガン玉と蛍光玉も付けてやっていますがノーバイトです。この日は1匹もアマダイは顔を見せてくれなかったのです。

最後の流しで尺アジ登場
お昼の12時過ぎ、船を船長が動かし向かった先は、港の正面。水深90m~でアジを狙うとのことでしたので、アジ仕掛けにチェンジします。ハリス2号2m×2本バリで、付けエサはオキアミ。
アジ釣りは向こう合わせの釣り
底まで落として、2mでコマセを少し撒き、3mで待つだけです。アジは口が弱いため、強く合わせをいれたり、巻き上げ時に、速いスピードで巻いたりするとバレます。
アジはアタリと同時に、針掛かりしている可能性が高いです。そのため強い合わせはいらないです。アタリがあったら一呼吸おき、竿を聞き上げ、魚が掛かっていたら、あげてくるとよいです。
筆者自作仕掛けに連釣
ここにきて尺アジが上がりはじめると、Zさんしか釣れない状態になり、みなさん、しかめっ面で色々な手段を試しますがダメです。釣れるのはZさんだけ…Jさんがなんで!?と頭を悩ませています。

Zさんがもういいや…、とJさんに仕掛けを譲ります。これがすごい威力を発揮します。仕掛けを変えて1投目、Jさんに待望の1匹。Jさんも「この仕掛けだね~」と実感。

実はこの仕掛け筆者用にアジ、アマダイ兼用に作ったものです。針はアマダイ針、本来の針の半分くらいの大きさに蛍光ピンクの塗料が塗ってあり、細く軽いため、アジでも吸い込めるのでしょう。ビーズはアジに効果のあるケイムラ色を使用しています。
筆者は、ムツ針の方を使っていましたが、まったくダメだったのです。
最終釣果
この日の最終釣果は、アカムツ35~45cm3匹、オオメハタ多数、カサゴ3匹、アジ7匹、サバ2匹、エソ、ユメカサゴ、キタマクラ、サクラハナダイ、ネンブツダイと色んな多種多様な魚が顔を見せてくれたのです。

今日の1番の成果は、アカムツが相模湾の小田原沖で釣れたことです。よりライトに、よりスピーディーに釣りができ、水深が浅くなることで、投入する回数が増える=釣るチャンスが増えるということです。相模湾のライトアカムツ。これから期待できそうです。
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<荒木 清/TSURINEWSライター>
▼この釣り船について海真丸
出船場所:小田原市・小田原新港 The post 水深100m浅場で45cm頭にまさかの良型アカムツ3匹【相模湾】コマセ釣りで手中 first appeared on TSURINEWS.