タコは意外にも身近な堤防の岸壁にも潜んでいて、好物の貝やカニなどを食べています。今回はそんな足元のタコを狙い撃ちできるタコジグ仕掛けを紹介。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 編集部)
タコジグ釣法は投げる必要なし
タコジグとはタコ型のビニール製の疑似餌「タコベイト」にオモリが仕込まれた仕掛けです。堤防の岸壁にくっついているマダコに対して、タコベイトの足をヒラヒラと動かしてアピールしながら仕掛けを落とし込んで狙います。仕掛けを投げる必要はありません。
タコジグを同族として攻撃するためか、エサだと思ってか、はたまた派手なものが好きな習性からかわかりませんが、誘っているとタコジグを抱きにくるのでタコが釣れる……といった仕掛けとなります。

タコエギとの違い
同じタコを狙うための疑似餌であるタコエギは浮力もあり根掛かりしにくい構造なので、投げて釣るのに向いています。
一方、タコジグは全方位に針があるので宙層でもタコにフッキングしやすいですが、寝かせて底を横に引いてくると高確率で根掛かりする形状になっています。縦に探るならタコジグ、横に探るならタコエギで使い分けするといいでしょう。

タコジグの時期
新子が多い初夏は数釣りしやすく、季節が進むと数は減りますが型が良くなっていきます。水温が下がる晩秋ぐらいまでは狙うことができ、冬や春など水温の低い時期は釣れる確率が下がります。
タコジグのタックル
タコジグのロッドやリール、ラインといったタックルを紹介します。タコジグの釣りは岸壁や底に張り付いたタコを引きはがす必要があるので、使う道具には強度が求められるのが特徴です。

タコジグのロッド
ロッドはタコジグの足をヒラヒラさせやすい先調子で、岸壁にくっついたタコを強引に引き剥がせるバットパワーのあるロッドが必要になります。
エギングロッドなどの陸っぱり用のルアーロッドを使うと、タコジグ自体も10号~30号程度と重く負荷がかかるうえ、大型のタコが掛かるとパワー不足で折れてしまう可能性もあるので注意。タコ釣り専用のロッドや、オモリ負荷が高い船釣り用ロッドなどがおすすめです。
タコジグに最適な釣り場
道具が用意できたら釣り場選びです。実は普段通っている堤防にも居着いているのがタコ。中でも岸壁に貝などの付着物が多い堤防が、タコの好物のカニなども多いため狙い目です。
また、完全な砂地の釣り場よりもタコの隠れ家となる沈み根や捨て石などが点在している堤防のほうが、タコが潜む可能性は高くなります。堤防の割れ目やつなぎ目も絶好の隠れ家になるので、そのような変化があるかどうかも意識して釣り場を選びましょう。

漁業権に注意
漁業権の関係でそもそもタコ釣りができない堤防もあるので、釣りの前に確認が必要になります。漁業権が適用される地域なのか調べるには、海上保安庁「海洋状況表示システム」で確認可能です。
タコジグの釣り方
基本的な釣り方はタコの着いていそうな堤防の割れ目などを狙い、仕掛けを岸壁スレスレへ誘いを入れながら落とし込みます。誘い方は、スカートを踊らせることを意識しながら数cm刻みで下げては止めるのを繰り返し、下に下に探っていきます。落としてもタコのアタリがないようならポイントを見切って移動しながら探っていくのがコツです。
タコジグで探るタナ
最初は底まで探ってみてアタリが出るタナを特定しましょう。上~中層でアタるときは活発にエサを捕食していて活性が高いので、底まで落とさずに移動してテンポよく探りましょう。
また、アタリが出ないときなどは活性が低く底にタコがいる場合が多いです。その場合、上から探ったら底でタコジグを踊らせてエサを求めて移動してくるタコをしばらく待つのも有効です。底にタコジグが寝てしまうと根掛かりの可能性が上がるので、着底するかしないかの位置で誘うようにしましょう。
アタリの出方とアワセ
アタリは宙層なら突然テンションが抜けたようになります。底の場合はのしかかるような重さが竿先に乗ることが多いです。とにかく何か違和感があったら強くアワセてみましょう。
アワセを入れるときは、沖側に竿先を持っていってタコを岸壁から離すようにします。こうすることで空アワセでも岸壁のイガイなどに針が引っ掛かりにくく、タコが乗っていても岸壁から引き離して浮き上がらせることが出来るからです。これは回収時など、ほかの竿を上げる動作を行うときにも同じで、沖側に竿先を向けることで根掛かり防止に繋がるので徹底しましょう。
タコが乗ったら再度岸に張り付かれないように気を付けつつ、ドラグはフルロックで素早く巻いてきます。取り込み時は大きいタコならタモ入れしないと身切れするので、タモを準備して挑みましょう。

タコの持ち帰り方
取り込んだ後はファスナーで閉められるタイプの蓋が付いたバケツに入れておいてもいいですが、死ぬと腐りやすいので暑い時期なら保冷したクーラーに入れるのがベストです。
ただ、しっかり閉めていない蓋の隙間や、水抜き栓などの小さい穴から脱走することもあるので注意しましょう。目と目の間の少し下をハサミなどで突いて締めるか、洗濯ネットなどに入れておくと脱走防止になります。
持ち帰ったらぬめり取りが一仕事ですが、1匹ずつジップロックに入れて生のまま冷凍し、食べるときに塩で揉む方法が、ぬめりも取りやすくなるのでオススメです。

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<TSURINEWS編集部>
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