長野県にある人気エリア、平谷湖フィッシングスポット。エンジョイエリア・トーナメントエリア・エキスパートエリアの3つのエリアで構成され、数釣りも大物釣りも楽しめる釣り場だ。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・杉本敏隆)
エリアはエキスパートエリア一択
まず一番重要なのはポイント。これはエキスパートエリア以外考えられない。他のエリアにも大物がいないことはないが、大物を狙うなら大物がたくさん入っているエキスパートエリアで決まりだ。
魚の姿を目視できるならなるべく大物が多いところで釣りをしよう。「見えている魚は釣れない」なんて言う人がいるが、見えていてもけっこう釣れるし、見えているからこそ魚の反応がわかるのがいい。

大物狙いのおすすめルアー
ではどんなルアーでどう狙うのか。週末の釣行なら、朝一番は普通にオレ金のスプーンで簡単に釣れてしまうこともある。しかし簡単に釣れるのはオープン直後のほんの短い時間だけ。魚がスレていくにしたがって、様々なルアーの出番がある。
ペピーノ
週末の朝、スプーンへの魚の反応が落ち着いてきたタイミングで私はペピーノを投入する。派手な色とそのサイズで魚へのアピール力は十分。大物がニョロニョロとゆっくり泳ぐルアーを見つけるとルアーに忍び寄ってゆっくりとくわえこむ。その一部始終を視認できることも多い。ドキドキしすぎて早合わせにならないよう注意しよう。

鱒の小魚
魚が完全にスレてしまう前ならクランク系のルアーも活躍することがある。私が好んで使うのはダイワの鱒の小魚(クリア)。フックは大物のヒットに備えて交換しておこう。
パペットサーフェス
表層に魚がたくさん見えているならトップウォーターも面白い。私の十八番はパペットサーフェス。キャストしたら5~7秒待つ。待っている間に出ることも多いので、すぐに合わせられるようにラインスラックをとっておこう。
大型魚はたいていゆっくりと出る。魚がルアーをくわえて水中に潜っていくときにフッキングできればバッチリだ。最初のポーズで出なかったときはロッドでアクションをつける。1回のアクションでの移動距離は30cm以内。アクションで誘ってポーズで食わせる。ポーズは2~5秒。魚の反応を見て決めていこう。

ちびダートラン
魚をだましやすいのは水面とボトムだと言われている。ボトムにも魚がいるならダートランやダートマジックなどのボトムプラグを試してみよう。私のお気に入りはちびダートラン。キャストしたらボトムをとってチョコチョコと動かす。シェイクしながらゆっくりとリトリーブするのもいい。ルアーがボトムから離れないように気をつけること。
Xスティック
そして魚がすれ切っているときでも効果的なのがXスティック。形状はただの棒だが、このルアーをスローリトリーブしていると魚が背後から近づき、ゆっくりとテールのフックをくわえる。平谷湖フィッシングスポットはクリアなことが多いので、ヒットの瞬間をしっかりと見て合わせることもできる。見えているとつい早合わせになりがち。魚がフックをくわえて横を向いたときにしっかり合わせよう。

大物狙いのタックルセッティング
大物を狙う上で気をつけなければいけないのがタックルセッティング。特にラインが重要だ。魚がいる場所までルアーを飛ばし、魚がヒットしたらしっかりとフッキングし、ファイト中に大物の力に対抗できるラインが求められる。
私はPEラインを使っている。
フックはレギュラーサイズを狙う時のような掛け重視の細軸フックではなく太軸の強度のある物に交換しておくと安心だ。ドラグ設定を緩くしておけば大丈夫と思うかもしれないが、PEラインは伸びないのでフックにかかる負担が想像以上に大きい。細軸フックは意外と簡単に伸びてしまうものだ。予備のフックも用意しておこう。
やり取りの仕方
大物とのファイトは慎重に。タックルの一番弱いところを考えてドラグ設定をすること。ラインが弱いならラインが切れないように、フックが弱いならフックが伸びないようにドラグを設定をする。これを怠るとせっかく掛けた大物に逃げられることになる。魚が急に突っ込んだ時にはロッドを立てないでドラグに仕事をさせよう。無理にロッドを立てるとラインブレイクする可能性が高まる。

ランディングに必要なネットは大きめの物を用意した方がいい。小さなネットを使うよりランディングが相当楽になる。無事魚をキャッチできたら、ネットを水から上げずにプライヤーやフォーセップを使ってフックを外し、写真撮影をする場合にも魚を水面から上げずに短時間で済ませたい。
エキスパートエリアはキープ禁止
エキスパートエリアはキープが禁止されている。大物が釣れたら優しくリリースしてあげてほしい。
以前、エキスパートエリアで釣りをしていたカップルの女性が大物を釣り上げた。その後の様子を見ていると、魚を水から上げてゆっくりと写真撮影をし、弱った魚をそのまま池の中へ。魚はひっくり返り息も絶え絶え。
自分のために、他の釣り人のために、そして釣り場のためにも、なるべく魚にダメージが残らないようにリリースしたいものだ。そうすればまた釣れてくれるのだから。
大物はファイトで疲れ切っている。魚が自力で泳げるようになるまでネットの中で休ませてやろう。魚がひっくり返ったままにしておくと回復するどころか弱ってしまう。そんな時はそっと支えてやるといい。魚が大きすぎてネットの中では窮屈な時は、ネットから出して魚が横を向かないように支えた状態で回復を待つ。これをすべて水中でやること。

魚がひっくり返ることがなくなるまで時間がかかることもあるが、大物を釣った余韻を楽しみながら魚を愛でているうちに回復していく。
思い出に残る1匹を狙ってみよう
大物狙いは簡単ではない。平谷湖フィッシングスポットのような魚影の濃い釣り場は、数釣りをするなら魚の反応を見ながら有効なルアーを探し、よく効くルアーが見つかったら後は手返しよく釣っていくだけだ。1投してアタリがなければ次を試すくらいのペースでいける。ところが大物狙いは有効なルアーを探すのにも時間がかかる。時には食うまで粘るということもある。その難しさゆえに釣れた時の喜びは格別だ。思い出に残る1匹を狙ってみよう。
<杉本敏隆/TSURINEWSライター>