サヨリは群れに当たれば初心者でも気軽に数釣りが狙えるターゲットです。食味も良く、大きいものだと1kg5000円で取引されることもある高級魚で、天ぷら、刺し身、塩焼き、干物など多彩な料理が楽しめます。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS関西編集部 松村)
サヨリ釣りの時期
サヨリは毎年釣れる場所と時期を明確に当てるのは難しいターゲットです。一般的には秋~冬に接岸して釣れることが多いですが、産卵期にあたる春や夏に釣れ盛ることもあります。
釣具店やネットなどで事前に回遊の情報を仕入れることが重要なターゲットと言えるでしょう。
サヨリが釣れやすい時間帯
サヨリは昼行性の魚で日中に釣ることが出来ます。マヅメ時も活性が上がるので朝マヅメ~昼などの時間帯で釣行するのがオススメです。
また潮の動く時間帯に回遊する魚で、特に上げ潮に乗って接岸することが多いので、潮の満ち引きも意識しましょう。
サヨリが釣れるポイント
潮通しのいい堤防や磯が狙い目です。また主食であるプランクトンを追って汽水域にも入る魚で、河口の突堤なども好ポイントになります。
堤防内の場所は先端や、潮の流れが当たる場所が有利になりますが、外海が荒れているような日には、港内の流れが落ち着いた場所に溜まるケースもあります。
サヨリ釣りの特徴
サヨリ釣りは他の魚とは少しかわった釣り方をします。というのもサヨリは表層を回遊する魚で、非常に短い上唇と、長い下唇の独特な口を使い、水面や水面近くに浮く浮遊物を下唇を受け皿にするようにエサを食べます。そのため非常に浅いタナを狙います。

コマセで足止めが有効
表層を回遊する魚に多いのは、とにかく動きが速いことです。エサをまくと寄ってきて、まきエサにも群がりますが、エサが切れるとあっという間にどこかへ行ってしまいます。そこで、同じポイントで釣り続けることでサヨリの群れの移動を止めることができれば数が稼げます。
サヨリ釣りの仕掛け
サヨリ釣りの仕掛けは大きく分けて3タイプ。ほかにもたくさんありますが、ここでは大きく3つに分けて紹介します。
カゴ付きの連玉ウキ(シモリウキ)仕掛け
サヨリ釣りではもっともポピュラーで、ザ・サヨリ仕掛けとも言えるタイプがカゴ付きの連玉ウキ仕掛け。これは連玉と呼ばれるように発泡性の玉ウキが4~5個並んだ仕掛けで、一番先頭にはプラスチックのカゴが付いていて、カゴを含めて全体が水面に浮くようになっています。
カゴにはゴム製のスーパーボールなどが付いていることが多いですが、これはスーパーボールの重さで遠投が効くように設計されています。またスーパーボールはやや浮力がある素材なので沈むことなく水面にほんの少し頭を出すくらいなので釣りの邪魔をしないということなのでしょう。
さて、玉ウキは全長50cmほどの仕掛け糸の中に4~5個が通してあり、水面では引っ張ると一列に並びます。ウキの並びの先頭がマキエカゴで、ここからポロポロと出るアミエビなどのまきエサに後方からサヨリが寄ってくると、連玉ウキの先にあるエサに食いつくという寸法です。
連玉ウキでの釣り方
サヨリが食いつくと、一列に並んでいた玉ウキが少し斜めになったり、列が崩れたりと変化するので、アタリとして判別できます。この仕掛けの最大の特長が「遠投が効く」「遠投した投点で仕掛けに同調するようにまきエサができる」と言う点。これを生かすには、ゆっくりと仕掛けを引っ張って常にカゴからハリまでの糸が張っていることでアタリが取りやすくなります。
また引っ張ることでまきエサもカゴから出て、仕掛けも同調させることができます。基本的に遠投して長い距離を探りますが、まきエサを入れて遠投を繰り返すので、群れが近くにいる時もマキエカゴにまきエサを入れる時間が取られるのがデメリットです。
タックルは遠投が効くもの
竿は遠投性を活かすため小物用の投げ竿や、磯竿の1~2号程度を使います。リールは2500~3000番。

カゴなしの連玉ウキ(シモリウキ)仕掛け
最初の仕掛けからカゴを取ったタイプで、連玉ウキの先頭がカゴではなくスーパーボールになっています。マキエカゴが付いていないので当然、まきエサは別に上からまく必要があります。ポイントが近ければスーパーボールも小さいものか、なくてもOKです。竿はカゴありと同じものでもいいですが、竿下を狙える状況なら長めのノベ竿も使用可能。

リール竿なら遠投は効くものの、あまり遠くへ投げると、上まきのまきエサが届かないと言うことになるので注意が必要です。カゴをなくす分仕掛けが軽量でアタリも取りやすくなり、カゴにまきエサを入れないため、手返しが速くなるのがメリットです。
2段ウキ仕掛けのフカセ釣り
イメージとしては磯のグレ釣り仕掛けです。グレ釣りにおいても2段ウキを使う場面は、グレのタナが浅い場合が多く、サヨリもタナが浅いのが特徴なので、似た釣りとなります。

基本的にはグレ釣り用の中通しウキと、小さなカヤウキ、セルウキ、発泡ウキなどを組み合わせて釣りますが、投入は中通しウキの重さを利用して行います。この仕掛けでの釣りもマキエシャクを使って上まきをします。磯のフカセ釣りに慣れた人なら、かなりスムーズにサヨリを数釣ることができるはずです。この釣りは比較的ポイントが近い場合に最適。
サヨリを集めるのに、タイミングを計りながらまきエサを自由にまけるので仕掛けを回収しなくても、まきエサを入れ続けてサヨリの群れを止めておきやすいのが利点です。
サヨリのフカセ釣り用タックル
タックルは1号程度の磯竿にリールは2500番など。ミチイトはナイロンライン1.5~2号ほどを巻きます。ハリスは0.6号程度を30cmぐらい取り袖針3~5号を付けます。

釣果を伸ばす3つのコツ
サヨリ釣りにおいて、どの仕掛けを使う場合でも共通して意識した方がいい3つのポイントがあります。
仕掛けを張る
サヨリは回遊性の強い魚ではありますが、泳ぎながらその場でエサを咀嚼もできるエサ取りのうまい魚です。ハリスが張られていないと、ウキには反応がないままにさしエサだけをかすめ取られることが多くなるので注意しましょう。
やや強めにアワせる
サヨリは口が硬いのも特徴です。いい場所にハリが刺さると口が硬いのも手伝ってハリが外れることはあまりないですが、掛かりどころが悪いと、ハリ先が刺さらずに寄せてくる途中でバラしてしまうことも多いです。
掛かりどころはなかなか操作できませんが、少しでもハリが刺さるようにやや強めのアワセをしっかりと入れるようにしましょう。ただ、あまり強くアワせ過ぎると仕掛け全体が水面にあるため、水面を割ってこちらへ飛んでくるので、その辺りは力加減を考える必要があります。
ハリ先のチェック
前述のように口が硬いことから、ハリ先が消耗しやすく、ハリ先が甘くなるとバラシ易くなります。頻繁にハリをチェックし、消耗しているようなら交換しましょう。
サヨリ釣りのエサ
サヨリは好き嫌いは少なめで動物性タンパク質は幅広く好みます。ここではよく使われるエサを紹介します。
アミエビ&オキアミ
サヨリ釣りの定番のエサです。コマセと同じエサを使うことでサヨリの反応もいいですが、エサ持ちの悪さがデメリットになります。また頭が取れると反応が悪くなるので、こまめにチェックしましょう。
イカの切り身
エサ持ちが良くフルキャストで遠投しても取れません。またアミとは違ってアタリがあってもハリから取れにくいため、非常に使いやすいエサになります。針につける際は、サヨリのサイズに合わせて細長く切って使いましょう。
はんぺん&カマボコ
ストローなどで細長く成形して使います。サヨリは白いものに反応しやすく、はんぺんもカマボコも白いものを使うといいでしょう。
虫エサ
ジャリメや細身のアオイソメなどを使います。匂いもあるので反応はよく、エサ持ちも悪くないため遠投も可能です。また反応しない状況もありますが、イソメ類を模した人工餌でも釣ることが出来ます。
コマセは?
アミエビやイワシミンチが一般的に使われます。カゴの場合は解凍してそのままカゴに詰めればいいですが、マキエシャクでコマセを撒く釣りの際はサヨリに付け餌をアピールするために、アミやミンチ自体をあまり撒かないようにします。多めの海水で薄めてシャバシャバにしたコマセを撒くと効果的です。

また、水面直下で広がりやすいサヨリ釣り専用の配合エサやヌカにアミエビを混ぜたコマセもよく使われます。
釣れたサヨリの持ち帰り方と下処理
サヨリは前述したように食べても非常に美味しい魚です。美味しく食べるために適切に持ち帰りましょう。群れが回ってきたら数釣りが可能な魚なので、クーラーボックスに海水と氷を入れて冷やし、釣れたらクーラーボックスにそのまま入れる「氷締め」が手返しも良くオススメとなります。
エラに寄生虫
釣ったサヨリにはエラの中に「サヨリヤドリムシ」というダンゴムシのような見た目の寄生虫がよく入っています。甲殻類の一種で食べても問題ありませんが、台所で見るのがイヤな人は、現地で頭を落としてから帰るといいでしょう。

アニサキスはいる?
代表的な寄生虫であるアニサキスについては、寄生確率は非常に低いです。ただゼロではないので、心配であれば刺し身で食べる際は、釣り場で内臓を抜き、身にアニサキスがいないかチェックしておくといいです。
お腹の黒い膜は取る
「腹黒」の語源にもなったと言われる、開いた際にお腹にある黒い膜は苦味や臭みの原因になるため取り除きます。

下記記事でも詳しい下処理方法や、調理レシピを紹介しているので興味があればご覧ください。
【釣魚レシピ】サヨリの天ぷら&みりん干し:釣り場で捌く理由とは? - TSURINEWS
陸っぱり釣りデビューの注意点10選 船釣り経験者こそ見落としがち? - TSURINEWS
<松村/TSURINEWS関西編集部>
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