【書評】音の鳴らない音楽本『ロックンロールが降ってきた日』 - 研究員レポート

【書評】音の鳴らない音楽本『ロックンロールが降ってきた日』 - 研究員レポート
いいタイトルだなあ。そう、ロックンロールは人生に突然「降ってくる」。それで頭に突き刺さってしまったが最後、一生抜けない厄介なものなのだ。

ロックンロールが降ってきた日』は、15人のミュージシャンたち――成田大致(シリーシング)、平田ぱんだ(ザ・ボヘミアンズ)、ROY(THE BAWDIES)、大木伸夫(ACIDMAN)、セイジ(ギターウルフ)、チバユウスケ(The Birthday)、増子直純(怒髪天)、山中さわお(the pillows)、浅井健一(SHERBETS)、古市コータロー(ザ・コレクターズ)、加藤ひさし(ザ・コレクターズ)、真島昌利(ザ・クロマニヨンズ)、甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)、仲井戸麗市、ムッシュかまやつ――が、ロックンロールに心を撃ち抜かれ、音楽の虜になっていくまでを、モノローグ形式で綴った一冊だ。

この本は読み手がどこに視点を置くかによって、いろいろな読み方ができる。例えば一流のミュージシャンたちのルーツとなる音楽を知るためのディスクガイドとしても機能するだろうし、日本のロックシーンの歴史を切り取った資料としても面白く読めるが、自分はこの本を、かつて男の子だった15人が、少年期から思春期に音楽との出会いを果たし、その後ミュージシャンとしてのアイデンティティを獲得していく“成長記”として読んだ。

例えば、年の離れた兄貴から「邦楽はクソだ、洋楽を聴け」と薦められて、一気に洋楽かぶれになってしまったり。あるいは、最初聴いたときは良さがまったくわからなかった作品が、数年後に聴いたら「こんなにいい曲だったのか!」と驚いたり。音楽好きにはお馴染みの“あるあるエピソード”なのだが、それを第一線で活躍するミュージシャンたちが語ることで、ドラマチックな物語として輝き出す。

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