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【写真】SKE48 木内俐椛子の卒業に寄せて。「明るい未来を見た」会見でのこと

名古屋・栄を拠点に活動するアイドルグループ・SKE48の木内俐椛子が、20日をもってグループより卒業する。

卒業の発表は15日にSKE48の公式サイトにて行われ、理由について「本人より、持病の突発性難聴により、アイドル活動の継続が困難である旨の申し入れが有り、本人を含めた関係者間で話し合いの場を設けましたが、結果的に本人の意思を酌む形で、やむを得ず辞退に至りました」と説明している。

合わせて木内は「SKE48を通して関わることが出来た全ての人に感謝の気持ちでいっぱいです。一年弱というとても短い間でしたが、SKE48で夢を叶えることができてとても幸せでした」、「沢山の素敵ならぶしちゅえーしょんをありがとう」とメッセージを添えている。

発表時、ファンの間では卒業を惜しむ声が数多く寄せられており、キャプテンの斉藤真木子は『桜の花びらたち』の歌詞の一節を添えて「木内ちゃんへの温かい応援を最後までよろしくお願いします」とツイッターで言葉を寄せ、一緒に公演に出た江籠裕奈も「人よりスピードはゆっくりだったかもしれないけど りかぴのペースでアイドルとして成長していく所を近くで見て感じられて幸せでした」と惜しんだ。

木内は10期研究生としてSKE48に合格してから初めてファンの前でパフォーマンスを披露した「SKE48 Valentine’s Day Live 2020 ~CHOCOLATE~」で、スキップができない事が明らかになり一躍話題になった。筆者もコンサートの合間で行われた10期生の囲み取材でスキップを目の当たりにし、衝撃的な光景だったので今でもよく覚えている。


この時初めて10期生と出会った筆者だったが、記者団からの質問にハキハキと答えている木内の姿が印象的だった。言葉の一つ一つに明確な意思があると感じ、「SKE48の中で目指したいポジション」について質問してみた。同席したメンバーが考え込む中、木内は「大阪府出身なのでトーク力を磨きたいです。MCにもチャレンジしたいです。あと、ずば抜けて運動神経が悪いので、良い意味で活かせられたらと思います!」と答えてくれた。ポジティブに明るく、明確にSKE48で『何』をしたいのかという思いが伝わり、筆者の当時のメモ書きには、“明るい未来を見た”と添えられていた。

木内と会ったのはこの会見が最初で最後となってしまったが、その後は「SHOWROOM」での配信が度々話題に上がるようになり、筆者もリモート作業の合間で視聴するようになった。2020年の上半期はコロナの影響でSHOWROOMの配信がメインだった10期生。中でも「らぶしちゅえーしょん」や「かわE超えて、かわF超えて、かわZ!」などのキャッチーなワードが繰り出される木内の配信はよく印象に残っている。「床と喧嘩してアゴを怪我した話」や、スキップを練習する配信など、テンポよくファンとのコミュニケーションを取りながら行う配信は面白さに溢れていた。

劇場公演が再開してからは、出演するためにスキップを克服しなければならず、同期の林美麗からコツを教わったり、家の周りを2キロスキップしたりする荒療治で克服。そうした努力家の一面はパフォーマンスにも現れ、ガチガチに緊張していた『渚のイメージ』の初パフォーマンス時から比べて、笑顔でステージに立つ姿や、MCを盛り上げようとする姿勢、何よりSKE48の公演を楽しむ姿は、これからの活躍が楽しみな光景であった。


アイドルとして活躍する者には必ず訪れる卒業の時。これまでもいろいろな形で、様々な事情でグループを後にし、それぞれの道を歩んでいったメンバーたちがいる。女優、声優、タレント、プロデューサーに社長。時折、新たな道で活躍する元メンバーの姿を耳にすると、安心すると同時に自分自身の活力にもなる。今回の卒業という決断は彼女にとって全てが納得のいくことではなかったことだろう。どうかこの先の未来、木内にとって明るい人生が続いていくことを願っている。