オルモはバルサの下部組織ラ・マシアで育ったが、ユースには昇格しなかった。ディナモ・ザグレブとプロ契約し、培った技術を早くから実戦で磨いてきた。敵ゴール近くで仕事をするようになって才能が開花。シャビ・エルナンデスと似た特性を持つ。ゴールを生み出す力も高く、スペイン代表としてデビューした昨年のマルタ戦でゴールを決めている。
東京五輪には出場しないが、ノルウェー代表のマルティン・ウーデゴール(21歳、レアル・ソシエダ)も2人に匹敵する実力者だろう。
ウーデゴールは左利きのドリブラータイプとして、16歳でレアル・マドリードと契約した。当時はリオネル・メッシ(バルセロナ)と比較されることが多かった。しかしプロ選手としての経験を重ねる中、インサイドハーフに活路を見出しつつある。今シーズンはレアル・ソシエダの攻撃サッカーをけん引し、来季はルカ・モドリッチの後継者としてレアル・マドリード復帰が噂される。ちなみに、ウーデゴールの代わりに、同じ左利きの久保建英がレアル・ソシエダに期限付き移籍するという話も出ているが……。
同じく五輪出場はないが、イングランド代表のメイソン・マウント(21歳、チェルシー)も大舞台で存分に実力を示しており、どう化けるかに注目が集まる。ゴールに向かうインテンシティが高い選手で、相手のボール回しをかっさらい、そのままゴールするシーンも少なくない。”前輪駆動”で、相手を屈服できるMFだ。
ウルグアイ代表フェデリコ・バルベルデ(21歳、レアル・マドリード)も、マウントと似たプレー強度の高いMFと言える。持ち場の球際で負けないため、その局面から勝負を優勢に持ち込むことができる。ウルグアイ人選手は球際で粘り強く”ファイター”が多いが、彼もその例に漏れない。
一方、日本にも久保建英をはじめ、攻撃的MFの逸材は多い。ただし、話をインサイドハーフに限ると、4-3-3の布陣を使うチーム自体が少なく、適性のある選手はそもそも多くない。五輪年代では、本田風智(18歳、サガン鳥栖)は適性を感じさせるが、未知数だ。
世界的には、10代で怪物感を漂わせる選手が出てきている。