このクロスは、マインドセットができていたからこそ、身体も反応できたのだと思います。チームも劇的に勝利(4−3)したおかげで、次の試合からスタメンに返り咲きました」
—— 続くフォルトゥナ戦でスタメンに復帰し、チームも際選手も調子が上向いたところでリーグが中断。その後、正式に打ち切りが決まりました。もうちょっとプレーしたかったですよね。
「本当にそうですね。信頼を掴んでスタメンの座を奪取し、終盤戦に向けて『行ける!』と思った矢先だったので、とても残念でした。しかし、コロナの被害がここまで甚大になると思っていなかったので、今は一日も早く終息してほしいという想いが一番です」
—— 新型コロナウイルスの感染拡大によって、際選手の人生観は変わりましたか?
「自粛期間において、その時間の使い方は個人差があると思います。『家にいるしかない、つまらない』と言う人がいる一方、その時間を有意義に過ごす人もいます。それは僕の周りでも多種多様です。
そう遠くない未来、AI(人工知能)時代の到来とともに、人間は人間にしかできない仕事に集中できるようになる。『制約のあるなか、自分に何ができるか?』ということに向き合わざるを得ない環境で、時間の使い方を工夫している人は、そんな時代の変化のなかでも新しいものを創り出していけるのだろうな……と思うようになりました」
—— 最後に。際選手は今、どのような日々を送っているのですか?
「チーム練習は5月初めに再開されましたが、今はシーズンオフで、6月末から再び始まる予定です。この状況では帰国できないので、パーソナルトレーナーのタカ君(中田貴央氏)がプランしてくれたフィジカルトレーニングに重点を置いて行なっています。
彼のメニューはサッカーの動きに必要とされる筋肉強化トレーニングに特化していて、無駄がありません。オランダ人はパワー系の筋トレをするので見栄えはいいですが、ピッチ上のパフォーマンスではタカ君のトレーニングメソッドのほうが結果は出ると思っています。