スポルティーバ厳選! 
高校野球 47都道府県の注目選手
香川編

 新型コロナウイルスの影響により毎年夏に甲子園で開催される「全国高等学校野球選手権大会」が中止となり、その代わりに、各都道府県は独自の代替大会を開催する。香川では、7月 23日から「令和2年度香川県高等学校野球大会」が開幕。

大会で活躍が期待される選手たちを紹介する。

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「県内ナンバーワン」の呼び声が高いのが、大手前高松の本格派右腕の内田悠太だ。最速147キロのストレート、打者の手元で小さく、鋭く変化し、コーナーへと決まるスライダーは一級品。コンパクトで滑らかなテークバックでトップを作る投球フォームからも将来性を感じさせる。

 昨年11月に実施された星稜(石川)との招待試合では、ドラフト候補の内山壮真の打席で、その日最速の142キロを計測。高品質な持ち球だけでなく、強敵との戦いで能力が研ぎ澄まされる勝負根性も見逃せない。



 左投手では、昨秋の四国大会準優勝でセンバツ出場権を獲得していた尽誠学園の村上侑希斗(ゆきと)が筆頭格。下半身の捻りを巧みに使いこなし、数字以上の威力があるストレート、キレのあるカットボール、スプリットなどを投げ分ける投球は小気味いい。

 下級生エースとして昨秋の四国大会でも粘りの投球を見せた英明の石河大空、190センチに迫る長身が生み出す角度に魅力がある藤井学園寒川の平井翔馬、夏を前に安定感がグッと増してきた高松商の安西優登も夏を盛り上げてくれそうな好右腕。

 野手は左右のスラッガーが大会の目玉となりそうだ。右の長距離砲として期待されているのが、観音寺第一の田中大貴。背中を叩かんばかりの豪快なフルスイングで高校通算40本塁打超。
飛ばす力だけでなく、ファーストストライクから仕留めにかかる積極性、遊撃守備で見せるハンドリングにも魅力が溢れる。

 右が田中ならば、左の筆頭格が三本松の多田聖一郎だ。171センチ、83キロのガッシリとした体格を生かした強いインパクトで、角度のついた打球を連発する生粋のアーチストタイプ。7月から解禁された練習試合では、いきなり一試合3発の離れ業を見せるなど、通算42本塁打で開幕を迎える。

勝負根性を発揮。高松はスラッガーたちの「アーチ合戦」に期待!...の画像はこちら >>

昨年夏の甲子園に出場した高松商の笠居小史朗

 北信越BCリーグ(現・ルートインBCリーグ)でのプレー経験を持つ日下広太(くさか・こうた)監督は、「打球の角度には天性の魅力があります。一番成長を感じるのは追い込まれてからの対応力。
簡単にアウトにならず、軽打もできるようになるなど、打撃に幅が出てきました」と成長を称え、最後の夏の飛躍にも期待を寄せる。

 三本松では、チーム一の確実性を持つ左の巧打者・武山元輝、打線のポイントゲッターにも成り得る好遊撃手の島本大輔も気になる存在だ。

 尽誠学園の中心打者として期待がかかる仲村光陽も注目打者のひとり。器用な腕の使い方で、インコースも軽々とさばくなど、技術力のある右打者だ。秋の公式戦ではチームトップの11打点と勝負強さも申し分なし。県独自大会はもちろんのこと、尽誠学園OBの父・耕三さんが活躍した甲子園で開催される交流試合での躍動にも期待したい。


 ほかにも、俊足を生かして二塁打を量産する井脇将誠(いのわき・しょうせい)、精度の高いスローイングと視野の広さで投手陣から信頼される正捕手・橘孝祐も尽誠学園の核を担う好選手。

 昨夏の甲子園を経験している谷口聖弥、笠居小史朗(こじろう)の高松商の右打者コンビ、崩されてもヒットゾーンに運ぶ技術がある丸亀城西の大西宏和も快音を響かせてくれそうだ。

 昨夏県準優勝の英明は、主力として悔しさを味わった前田大が主将として引っ張る。昨夏の決勝の土壇場9回に、大きく外れるボール球に飛びつきながら成功させたスクイズで一躍有名になったが、重圧のかかる場面でも攻めの姿勢を失わない積極性が真骨頂。涙の決勝敗退から1年、悔しさを晴らす夏にしてほしい。