8月14日からスタートする、高校サッカーのインターハイ。今回もプロ入りが見込まれている、未来のスターが活躍の機会を待っている。

とくにそのプレーが注目される、10選手をピックアップして紹介する。

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高校サッカーインターハイ大注目の10人。卒業後、即ヨーロッパ...の画像はこちら >>

現高校サッカー界のキング。青森山田の松木玖生

松木玖生
(まつき・くりゅう/青森山田/MF/3年/178cm、73kg)

 高校入学直後から、常勝軍団で主力として活躍。2年連続で選手権準優勝に貢献している高校サッカー界のキング。卒業後はヨーロッパ行きが噂されている。メンタルが強く、力強いボール奪取から前方に展開し、ゴールに絡む「ボックス・トゥ・ボックス」タイプの選手だが、今年に入ってからはより勝負にこだわるようになり、得点への意識が高まっている。

優勝候補として挑むインターハイは、「先を見すぎず、一試合一試合を丁寧に戦っていけば絶対に勝てる自信はある」と意気込む。

高校サッカーインターハイ大注目の10人。卒業後、即ヨーロッパ行きを狙う選手も

打点の高いヘディングが魅力。尚志のチェイス・アンリ

チェイス・アンリ
(尚志/DF/3年/187cm、75kg)

 アメリカ人の父と日本人の母を持つセンターバックで、187cmの巨体を活かしたヘディングと対人の強さが売り。6月には飛び級でU-20日本代表候補にも選ばれた超高校級の選手だ。昨年は股関節痛の影響で満足にプレーできなかったが、今年に入ってからはプリンスリーグ東北や、インターハイ予選で他を圧倒するパフォーマンスを披露。高校卒業後の海外進出を見据え、オランダ・AZの練習参加も経験した。

インターハイでも、アフロヘアをなびかせながら、躍動する姿に期待だ。

高校サッカーインターハイ大注目の10人。卒業後、即ヨーロッパ行きを狙う選手も

豊富なシュートパターンを身につけスケールアップした、神村学園の福田師王

福田師王
(ふくだ・しおう/神村学園/FW/2年/174cm、62kg)

 2年生ながら複数のJクラブが注目する点取り屋だ。一番の魅力はゴールへの執着心。常に得点を狙う姿勢を持っており、シュートバリエーションも豊富。空中戦の強さ、ワンタッチゴール、背後への抜け出しなど、様々なパターンからネットを揺らす。また、最近は身体の強さが増し、とくに下半身はひと回りサイズアップ。

相手に当たり負けする場面はほとんどなくなり、ボールを収めるプレーも安定してきた。U-18日本代表に飛び級で選出されたFWが、今大会の主役を担う可能性は十分にある。

高校サッカーインターハイ大注目の10人。卒業後、即ヨーロッパ行きを狙う選手も

職人肌のボールハンター。青森山田の宇野禅斗

宇野禅斗
(うの・ぜんと/青森山田/MF/3年/177cm/71kg)

 親元を離れて早6年。中学時代から青森山田でプレーするボランチは、Jクラブから注目を集める選手に成長を遂げた。最大の武器は守備センス。

的確なポジショニングでボールを回収する術を持ち、球際の勝負でも相手を圧倒する。ボランチでコンビを組む松木玖生との関係性も抜群。攻撃に比重を置く相方が心置きなく前に出られるのも、宇野がいるからこそだ。タレント揃いの攻撃陣を生かす上で、中盤の守備を一手に引き受ける職人肌のボールハンターは欠かせない。

高校サッカーインターハイ大注目の10人。卒業後、即ヨーロッパ行きを狙う選手も

大会屈指のプレーメーカー。佐賀東の吉田陣平

吉田陣平
(よしだ・じんぺい/佐賀東/MF/3年/172cm、65kg)

 プレーを見れば、センスの高さはひと目でわかる。

テクニックの高さを活かしたドリブルと、アイデア溢れるパスでチャンスを演出する、大会屈指のプレーメーカーだ。2年生の冬に高校選抜を経験してからは、身体を張った守備を見せる青森山田の選手に感化された。ハードワークの意識が身につき、ワンランク上の選手へと進化。すでにJクラブからのオファーを受けているが、今大会のプレー次第では、争奪戦になる可能性もある。

高校サッカーインターハイ大注目の10人。卒業後、即ヨーロッパ行きを狙う選手も

持ち前の攻撃センスに加え守備面も成長した、米子北の佐野航大

佐野航大
(さの・こうだい/米子北/MF/3年/175cm、65kg)

 セカンドボールの回収に定評があった兄・佐野海舟FC町田ゼルビア)とは違い、弟の航大はテクニックなどボールを持ってからのセンスで勝負するMFだ。1年目から出場機会を掴みながら、これまでは兄ほどの存在感をピッチで示せずにいた。

だが、課題だった肉体強化に励んだこと、兄から守備のコツを学んだことで今年に入ってからの成長は著しい。3列目でのボールハントから、力強い突破でフィニッシュに持ち込むなど、ひとりで広大なエリアをカバーできる。

高校サッカーインターハイ大注目の10人。卒業後、即ヨーロッパ行きを狙う選手も

ドリブルで変幻自在の仕掛けを見せる、前橋育英の笠柳翼

笠柳翼
(かさやなぎ・つばさ/前橋育英/MF/3年/173cm、63kg)

 注目のアタッカーだ。最大の武器はドリブル。変幻自在の仕掛けで相手を翻弄し、中へ切り込んでゴールに絡む。山田耕介監督も「相手にとって嫌なタイプ」とその実力を高く評価している。5月にはU-18日本代表の活動に参加。「(取り組みの部分で)サッカーに対するスタートラインがわかった」と、プロで戦う基準でさらに練習に取り組めているのも好材料。目標とするイングランド代表ジャック・グリーリッシュ(マンチェスター・シティ)のようなドリブラーになれるか注目だ。

高校サッカーインターハイ大注目の10人。卒業後、即ヨーロッパ行きを狙う選手も

フィジカルの高さと技術を生かした突破が期待される、阪南大高の鈴木章斗

鈴木章斗
(すずき・あきと/阪南大高/FW/3年/178cm、65kg)

 ガンバ大阪ジュニアユース時代はサイドバックでの起用が多かったが、高校進学後はボールを失わない技術力の高さを買われ、サイドハーフに転向。フィジカルが急成長を遂げた昨年の冬からは、ストライカーとしてプレーする。最大の特徴は、前線でのポストプレー。足元はもちろん、圧倒的なジャンプ力を活かし、普通の選手ならヘディングで競り合う場面でも、胸トラップしてチャンスにつなげる。力強い突破も魅力だ。卒業後は湘南ベルマーレに加入が内定している。同じG大阪ジュニアユースから高体連へと進んだ、本田圭佑鎌田大地が歩んだルートを進めるか注目だ。

高校サッカーインターハイ大注目の10人。卒業後、即ヨーロッパ行きを狙う選手も

右サイドのスピードに注目。鹿島学園の桜井稜

櫻井稜
(さくらい・りょう/鹿島学園/DF/2年/176cm、64kg)

 50mを6秒フラットで駆ける右サイドバックだ。中学時代は大宮アルディージャU-15でプレーしたものの、U-18に昇格できずに鹿島学園へ進学。1年生の頃はトップチームに絡めず、2年生になってからもベンチスタートが多かった。だが、インターハイ予選でポジションを掴み、一気に台頭。7月には初めてU-17日本代表の活動に参加し、30m走でチームトップの数値を叩き出した。今夏のインターハイで経験を積めば、スカウト陣から熱視線を送られる存在になったとしても不思議ではない。

高校サッカーインターハイ大注目の10人。卒業後、即ヨーロッパ行きを狙う選手も

正確なビルドアップとロングフィードに定評がある、静岡学園の行徳瑛

行徳瑛
(ぎょうとく・えい/静岡学園/DF/2年/184cm、72kg)

 清水エスパルスFC岐阜、ネパール代表などで監督を務めた、行徳浩二氏を父に持つ現代型のセンターバックだ。昨秋に1年生ながらレギュラーポジションを掴むと、経験を積んでプロから注目されるまでに成長した。正確なビルドアップと局面を一発で変えるロングフィードに定評があり、川口修監督もその実力を高く評価する。高校入学後、初めて迎える全国舞台。今季は怪我で序盤戦を棒に振ったが、インターハイで活躍すれば一気にブレイクする可能性もある。