それに今回は2試合の開催地の時差も考慮したのか、国内組を多く招集しましたよね。今までの招集選手とは少し異なる傾向が見えるのは、それだけ危機感があるからなのかもしれません。

旗手怜央とともに、W杯予選を戦う日本代表に初招集された三笘薫
――ここまでの日本代表の選考についてはどう思いますか。
杉山 本来であれば予選からW杯本大会まで、通常だったらあと1年はかかる戦いです。その長さを考慮しながら、本大会へ向けてのメンバーの話をする必要があるのに、こんなに予選で苦戦しちゃったものだから、焦点がズレてしまったというのがあります。
2次予選でミャンマーやモンゴルに大勝していたじゃないですか。あの時とノリが今も変わらないというところに問題がある。1年後に向けて順調なステップが踏まれているというよりも、一本調子で、チームが育っているという感じを全く受けません。そこに勢いがつかない理由があるんじゃないかと思います。
浅田 よくも悪くも、あまりメンバーに森保監督の色が出ておらず、現時点で活躍している、誰もが「はい、そうですよね」と言うようなメンバーが選ばれる傾向があると思っていて、そういうことも含めて一本調子と言えるのかなと思います。逆に言うと、森保カラーが出てこないから、どうしても選手頼みになる。よく森保さんが「原理原則」みたいなことを言うのですが、そこの枠組みというのは基礎の基礎みたいな部分の話で、あとは結局、選手がピッチ上でうまくやれるかどうかで試合が決まっている。そこに「チームとして成長している感じがない」という印象があるのかな、と。